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2015.11.17

就農のきっかけと、今年の秋冬野菜

このブログの第一回目でも少し触れましたが、
私が農業をやろうとしたきっかけの1つに、3.11の震災での体験があります。

震災当日、妻が用事で外出していたため有給休暇を取っていた私は、
1歳だった息子を抱き、モノがなくなったスーパーにお水や食料を探し歩きました。
お金を積んでも食べられない、というその時の体験から、
私たち家族は、世の中の多くの名前も知らない農家さんのおかげで、
食べさせて頂けているんだなという事を痛感し、
食べ物を作る農業は素晴らしく尊い事だな、と思うようになりました。

この体験を1つのきっかけとして、奈良に戻り、就農して2年目。
今年の秋冬作は、野菜の品目数を増やしています。

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(常連さんに人気の柿も含み、数種類の野菜を詰め合わせた「野菜セット」。
この時は、夏野菜の名残でトマトや、カラーピーマンも。)

白菜、キャベツ、大根や、パクチー、島らっきょう、大和まな、今市カブ等…
伝統野菜にも挑戦し、約30品目40種類を栽培中です。
自宅の米屋だけでなく、家庭向けに野菜セットの宅配を始めようと思い、
いろいろな種類の野菜をお届けし、皆さんに喜んで頂けたらと思っています。

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(柔らかく、風味も良い奈良県の伝統野菜の「今市カブ」)

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(茎があまーく栄養豊富な スティックカリフラワー、「カリフローレ」)

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(色がキレイでシャキシャキのみず菜、「紅芯みず菜」)

畑に堆肥を入れたり、穴を掘る機械ユンボで溝を掘り排水性を高めたり、一緒に植える事で野菜に良い作用を与えるコンパニオンプランツ、マルチ、ネット、藁の使い方を試行錯誤した結果、ここ最近では、虫食い、雑草が改善し始めているなと感じています。

各家庭の食卓と、私の畑を繋ぐ、収穫を迎え始めた秋冬野菜。
どこに売るか販路に関しても、出来るだけコミュニケーションを取れる距離感でお届けしたいので、「生産者と消費者」というより「作る人と、食べる人」という感覚でやっていきたいと思います。

これからも、就農のきっかけである農業を尊ぶ気持ちを忘れず、
皆さんと作り手との距離が近くなるよう、野菜作りに励んでいこうと思います。

その他の挑戦者

  • 今村直美・細渕有里
  • 佐藤友明
  • 千葉治
  • 宮﨑康介
  • STL編集部

challenger

大野收一郎

人間は食べものから作られる
大野收一郎(おおのしゅういちろう)
奈良県 奈良市

食べ物を作る農家が、もっと注目される必要性があると、自らも作り手となる。東京のIT企業役員を経て昨年就農。1968年生まれ奈良県出身。

写真家の眼 大野收一郎

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