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2015.07.23

想いの詰まった「古都華クッキー」

今回は、私の作った加工品「古都華(ことか)クッキー」の事を書いてみます。
今年4月に発売し、この夏はお中元としても喜んで頂いています。

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東京のITベンチャーで働いていた頃、奈良に帰省した際のお土産選びが悩みの種でした。
奈良のお土産で有名なのは、柿の葉寿司・奈良漬け等ですが、
そのお土産を渡す相手は、会社の20代若手エンジニア男子(笑)

そんな経験から、「いつか若者にも喜ばれるような土産物を作ってみたい」
との想いがあったのです。昨年7月に奈良市役所さんに声をかけて頂き、
市内の生産物を使った新商品の開発を支援する「奈良の土産物開発事業」に
応募することになりました。

知り合いのいちご農家さんの作る、奈良県限定生産の高級いちご「古都華(ことか)」と、私の作るお米の米粉と組み合わせ、「米粉といちごのクッキー」を企画。
審査員に向けてプレゼンを行った後、無事GOサインがでました。

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(↑私が惚れ込んだいちご「古都華(ことか)」)

審査通過はしたものの、菓子製造・商品開発の経験はゼロ。
知人の紹介で、食品、マーケティング、デザイン関係の方を含めてプロジェクトを結成し、
商品開発をスタートしました。

中でも一番大きな課題は、製造する場所。私の自宅は、菓子製造業の営業許可もなく、
その取得には改築費用などで数百万もかかってしまうので、外部の委託先も探しました。
パートナーとして「尊重できる関係になるか」を重視し、
地元のNPO法人さまに快諾頂き、試作を開始。

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形状・押し型・原材料の配合を替えて、試作を何度も何度も繰り返し、
ようやく今年3月、奈良公園で開催された「うまし食彩博2015」のいちごイベントで
発売を開始できたのです。
今は、奈良東大寺近くの土産物屋、東京・名古屋・京都の八百屋、
大阪のカフェで販売しています。詳しい販売先は こちら をどうぞ。
まだまだ現状に満足はしていないので、これからブラッシュアップしていくつもりです。

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(↑奈良にUターン後もつながりの続く、IT企業のお中元として、このクッキーを使って頂きました。
オリジナルラベルを制作され、お中元として贈られました。)

もともと、
「地元奈良のブランド力を高めたい」「いちご農家の就農者増加につなげたい」
との想いで始めたものの、今回の経験から、加工品製造や販売の難しさを痛感しました。
それでも、小規模新規就農者である私は、
栽培生産だけではない方向で、ビジネス経験やアイディアを活かし、
これからも新たな挑戦を続けていきたいと思います。

その他の挑戦者

  • 今村直美・細渕有里
  • 佐藤友明
  • 千葉治
  • 宮﨑康介
  • STL編集部

challenger

大野收一郎

人間は食べものから作られる
大野收一郎(おおのしゅういちろう)
奈良県 奈良市

食べ物を作る農家が、もっと注目される必要性があると、自らも作り手となる。東京のIT企業役員を経て昨年就農。1968年生まれ奈良県出身。

写真家の眼 大野收一郎

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