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2015.06.13

田植えイベントを終えて、想うこと

うちの田んぼでは、父と地元小学校の校長先生とのご縁がきっかけで、
18年前から、小学校の授業の一環として田植え稲刈り体験を続けております。

私が東京から戻り、農業を始めた頃、友人達の
「私達も田植えをやりたい!」と言う声に押されて、
3年前から親子向けの田植えイベントを始めてみたのです。

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親子のイベントですから、土日開催が主体となります。
機械で植えれば平日にすぐに終わる所を、わざわざイベントの為に、
田んぼに水を入れるタイミングやその他全ての作業をずらしたり、
当日参加者の皆さんが作業しやすいよう調整しなくてはなりません。

お米農家にとって、田植えは稲刈りと並んでとても忙しい時期です。
朝早くから夜遅くまで続く農作業に加えてのイベントの準備は、やはり大変です。
しっかりと植えられていない苗は倒れて枯れてしまい、収穫につながりませんので、
イベントが終わった後には田んぼを見て回り、
私と母で倒れてしまった苗をひとつずつ、 植え直しをしています。
そんな大変さもあり、当初は周りからの反対もありましたが、
今では協力してくれています。

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何より、参加された方々の反応を見ていて、
「大変でもイベントをして良かったな。」と思う瞬間があるのです。
特に親御さん達が、「昔の人はこんなにも手間をかけて手作業でやっていたのか」
と感動し、 普段口にしているお米の生産の現場に触れることで、
「食べ物への関心を持つことの大切さ」を感じてくださっていると嬉しいですね。

今回のイベントの際には、ある親御さんから「子供の質問、聞いてあげてください!」
と熱心に頼まれて、お子様がメモを握りしめ、たくさん質問してくれました。
あるパパは、「雑草取りなど他の作業もやりたい!」とおっしゃってくれました。

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「田植えだけでなく、その後の稲の生育や状況をお伝えする事」
「イベントが単に楽しかっただけではなく、次の行動に繋がる事」

これからは、そのような事も少しずつしていきたいと思います。

その他の挑戦者

  • 今村直美・細渕有里
  • 佐藤友明
  • 千葉治
  • 宮﨑康介
  • STL編集部

challenger

大野收一郎

人間は食べものから作られる
大野收一郎(おおのしゅういちろう)
奈良県 奈良市

食べ物を作る農家が、もっと注目される必要性があると、自らも作り手となる。東京のIT企業役員を経て昨年就農。1968年生まれ奈良県出身。

写真家の眼 大野收一郎

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