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2017.07.21

商売も楽じゃない

去る7月7日、七夕にしては珍しく晴れ渡った金曜日、僕の住む羽咋市(はくいし)に
道の駅「のと千里浜」がオープンしました。

羽咋市が取り組んでいる「自然栽培の聖地化」プロジェクトの拠点、
という、いささか気恥ずかしい壮大な目標を掲げたこの一大プロジェクトに、
僕もかれこれ一年くらいに渡って多少なりと関わってきたのですが、
改めて商売の奥深さや面白さ、そして難しさに気づかせてくれる機会となっています。

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(日本で唯一、車で走れる渚として有名な千里浜(ちりはま)にオープンした自然栽培の情報発信基地、道の駅「のと千里浜」)

道の駅というと、地域の情報発信や活性化のために、まさに全国津々浦々に開設されていますが、期待しただけの効果を上げている事業所は何割くらいなんでしょうね。

わが町の道の駅もそうですが、開設に向けては本当に様々な課題にぶち当たります。
そしてその度ごとに様々な改善や軌道修正を行うのですが、得てしてその修正により、かえって当初目指した方向性を見失うことにもなりかねない難しい舵取りが必要になってきます。

僕はそんな難しい舵取りの任にはありませんが、この道の駅に、
地元のおばあちゃんたちから製造を引き継いだばかりの漬物を先日並べてきました。
オープン3日目、まだ目覚ましい動きはありませんでした。それもそのはず。
これまで近隣で販売してきた価格から10%ほど値上げして出したんですから無理もありません。

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(古来よりUFO伝説が伝わる羽咋市の名産品として愛されてきたお漬物、「不思議漬と宇宙漬」。歴代のお母さん達の技が詰まった逸品です。)

30年間見直しをしてこなかった価格とデザイン、
それをこれからどうリニューアルしていくのか、それが直近の大きな課題です。

とはいえ、30年間続いてきた漬物には、それだけの実力も備わっているということでもあります。伝えるべきことを正しく伝えられれば、これからも愛される商品であり続けられるのだろうと思っています。

もし、道の駅「のと千里浜」にいらっしゃる機会がありましたら、
「不思議漬と宇宙漬」見つけてみてください。美味しいですよ〜。

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新田聡

新田聡(にったさとし)
石川県 羽咋市

1969年石川県生まれ。震災で居住地の放射線量が高くなったことを機に、生きる道を模索し農業を選択。2013年、出身地の小松に近い羽咋市で「ウッドランドファーム」を開く。人が集う「山の駅」を作りたい、山で音楽祭を開催したいなど夢が広がる。

写真家の眼 新田聡

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