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2017.12.08

紙マルチでタマネギ定植

今年は寒くなるのが早いです。

小川町では既に5、6回ほど霜が降りて、寒さに弱い里芋などの葉はすっかり枯れてしまいました。
里芋も急いで収穫せねば…という感じなのですが、その前にタマネギも植えなければ…となかなか忙しいこの時期です。

今回は、そのタマネギ定植について紹介してみようと思います。

1、タマネギの苗床

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こちらはタマネギの苗床です。9月上旬に播きました。
土が砂質のところを苗床にするのがポイントです。
以前、粘土質でごろごろした畑に苗床を作ったら、全然発芽しなくて大変でした…。

2、掘り上げたタマネギ苗

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今年は長雨にも負けず、良い苗が出来ました!
根量が多いのが良いです。以前、植えにくいので根を2/3くらい切って植えたことがあるんですが、冬の厳しい寒さに耐えられず、ほとんど枯れてしまいました。
きっと、根っこに越冬する養分を貯めこんでいるんですね。
それ以来、根はなるべく残して、乾かさないようにして定植しています。
ただ、苗が立派過ぎても春にとう立ちしてしまうのがタマネギの難しいところで、まだぬか喜びは禁物です。

3、粘土質でごろごろした土の畑に定植

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今年から借り始めた、ちょっと粘土質な畑に植えることにしました。
夏の間、緑肥を作ってすき込み、10月にもみがらをどっさり入れたので、大分ましになりましたが、まだごろごろしてます。
苗床は砂質な所がいいですが、植える所は粘土質な所でも大丈夫です。
乾燥と酸性の土が苦手なので、水持ちと肥持ちの良い粘土質の畑でも合うようです。
そして、ネギ科の強い根がごろごろをほぐしてくれるので、土作りにもなって、一石二鳥です。

4、紙マルチを使って定植

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よく見るのは黒マルチですが、師匠の金子さん直伝の紙マルチでのタマネギ作りを採用しています。
まだ見えている紙マルチの上に、この後2cmくらいの厚みで堆肥を敷きます。
堆肥は、紙マルチが風で飛ぶのを防止するのと、冬の間の保温、保湿、霜対策、そして定植穴からの雑草防止と、次作の土作りにもなり、一石四鳥の効果です。

紙マルチのメリットは
・土の中で分解されるので、田植え、麦刈り、ジャガイモ収穫など、とっても忙しい6月にそのままトラクターですきこめます。
・黒マルチだと春に地温が上がりすぎて、タマネギの保存性が悪くなることがありますが、紙マルチだと防げます。

デメリットは
・価格が黒マルチのおよそ2倍。
・機械で敷けないので、全部手張りとなります。

あとタマネギ作りで重要なのが、タイミング。
11月中旬くらいには終えたかったのですが、今年は稲刈り、サツマイモ掘りと色々手間どり、定植が大分遅れてしまったので、ちょっと心配です…。

苗作り、土作り、作業の段取り・タイミング、収穫、保存と、それぞれの作業でコツが必要なタマネギがうまく作れるようになれば、有機農家検定があったら、初級から中級くらいになれるかもですね。

今回のタマネギ作りもしっかり頑張りたいと思います。

challenger

仲澤康治

仲澤康治(なかざわこうじ)
埼玉県 小川町

1984年茨城県生まれ。千葉大学園芸学部で学び、有機の農業法人に就職。原発事故を目の当たりにし、もう一歩踏み込んで農業を中心とした有機的な生活を志す。埼玉県小川町の霜里農場で研修し、2014年に小川町で独立。「そらつち農場」を始める。

写真家の眼 仲澤康治

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