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2017.09.08

人参の栽培は発芽が肝心!

今、畑では人参が元気に育っています。

野菜セットや、直売所に出荷する時も、冬の主力となる野菜なので、就農当初から、
これは失敗できないぞ…と気合を入れて作っています。

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(6月蒔きの人参)

この人参。とにかく最初の発芽さえ上手くいけば、大体良いものが取れます。

種まき前の草対策として、「太陽熱消毒」で、表層の雑草の種を発芽しないように蒸してしまいます。透明のビニールマルチで畑を覆い、太陽の熱で一定期間土を温める方法です。
 
たまに色んな動物に踏まれて穴を開けられますが…。

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(イノシシに踏まれたマルチ。今年は空梅雨で山のエサがないのか、イノシシが畑に遊びに来ます…。)

また、種まき後に、お米のもみ殻をたっぷりまいておきます。直射日光が当たっても乾きにくい、大雨でも土が叩かれない、といった効果があります。

ここまでやっても天候次第でちょいちょい失敗していた人参作り。

色々と調べたところ、発芽には「鎮圧」が大事だと気づきました!
トラクターで耕して、ふかふかのままの畝に種を蒔いてしまうと、土がとても乾きやすいんです。そこをぎゅっと上から押し固めてやると、下の方から水分が上がってきやすくなるようです。
 
去年は足で踏んだり、板で踏んだりしていたんですが、夏のめちゃくちゃ暑い中そんなことは出来ないな~と、今年は色々と工夫してみました。

『現代農業』という農業雑誌に書いてあった、
「一輪管理機のタイヤの凹凸を削って、それで踏む」という方法。
やってみたら、タイヤの幅が狭くて、思った以上の深さになってしまい、その後に降った雨で種が埋まってしまって上手く発芽せず…。
後で読み返したら、「タイヤの空気を少し抜いて接地面積を増やす」と…。
なるほど…と納得。この方法は来年またリベンジです。

そしてもう一つ。「鎮圧ローラーで踏む」という方法。
メインは人参の畝の鎮圧ですが、他にも発芽で苦戦しがちなホウレンソウや春菊、ネギ、タマネギなんかにも使えるし、稲の苗踏みにも使えて汎用性があるなと思って購入しました。

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(鎮圧ローラー)

これは効果抜群!畝がちょうどいい具合に締まって表層まで水分が上がってきているのがよく分かります。人参もよく発芽している感じです。大雨でも畝が崩れにくいというメリットも。
これは今後の人参作りの大きな味方になる良い買い物が出来ました!

学校給食でも大きな需要があったり、がんの方がジュースにして飲んだりと、色んな方面で需要がある有機栽培の人参。
これからも工夫し、安定して作っていきたいと思います。

challenger

仲澤康治

仲澤康治(なかざわこうじ)
埼玉県 小川町

1984年茨城県生まれ。千葉大学園芸学部で学び、有機の農業法人に就職。原発事故を目の当たりにし、もう一歩踏み込んで農業を中心とした有機的な生活を志す。埼玉県小川町の霜里農場で研修し、2014年に小川町で独立。「そらつち農場」を始める。

写真家の眼 仲澤康治

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