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2017.07.20

「NPOふうど」の生ごみ資源化の取り組み

小川町には、生ごみを資源に再生する先進的な取り組みをしてきた
「NPOふうど」
という団体があります。
小川町の給食センターと一般家庭(有志の100世帯ほど)から出る生ごみを、
バイオガスプラントという施設で発酵させ、バイオガスと液肥に変えるという取り組みです。

ところが今年から町の事情により、一般家庭の生ごみの収集が中止になってしまいました…。
現在、給食センターの分のみの取り組みとなっています。

一昔前までは当たり前にあった物質循環を、今の時代にあった形で復活させる。
有機農家にとって、これが大きな仕事だと思ってます。
それが一歩後退してしまったということで、
少しでも力になれればと思って、今年から作業を手伝うことになりました。

「NPOふうど」のバイオガスプラントの管理をされている金塚竜さんに、
生ごみの処理方法をレクチャーして頂いたので、その時の様子をご報告します。

生ごみ収集用のバケツとプラントと一緒にパチリ。

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(金塚さんとバイオガスプラント)

この機械で生ごみを細かく砕いて、発酵槽に入れていきます。

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(生ごみ粉砕機)

こちらは発生したバイオガスを貯めておくタンク。
このバイオガスは主に発酵槽の加熱に使われています。

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(バイオガス収集タンク)
 
これは最終的に残る液肥です。
野菜や稲の追肥、元肥として、小川町近辺の有機農家の下で大活躍しています。

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(液肥)

江戸時代の頃までは、生ごみは全て土に還していたけれども、
今ではわざわざ焼却場で重油で燃やしています。
昔は生ごみも貴重な肥料。農家が野菜と交換したりして回収していたそうです。

ところが軽くてまきやすい化学肥料の登場により、生ごみは行き場がなくなりました。
その化学肥料も、海外の限りある資源を輸入したり沢山の電気を使って、生産していたりします。

お金のことだけ考えればそれが効率が良いのだろうけど、どう考えても持続可能な社会の仕組みではないですよね。簡単な問題ではないですが、少しずつ変えていければと思います。

小川町には循環型社会作りのために活動してきた先輩が多くいるので、
そういった先輩たちから学んで、思いを引き継いでいかないとなと、感じています。

challenger

仲澤康治

仲澤康治(なかざわこうじ)
埼玉県 小川町

1984年茨城県生まれ。千葉大学園芸学部で学び、有機の農業法人に就職。原発事故を目の当たりにし、もう一歩踏み込んで農業を中心とした有機的な生活を志す。埼玉県小川町の霜里農場で研修し、2014年に小川町で独立。「そらつち農場」を始める。

写真家の眼 仲澤康治

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