2018.09.21
道具作り その2
9月に入ると今までの雨不足が嘘のように、曇りや雨の日が続いています(ブログを書いている現在が9月の1週目)。秋雨前線の影響だと思いますが、こう毎日雨ばかりだと畑仕事もできません。予報を見ると、しばらくは雨が続きそうなので、前から作りたかったセルトレイ用の播種機「種まきくん2号機」の製作をしました。
(種まきくん2号機)
昨年まで、玉ねぎは畑にタネを直播きして苗を育ててから移植していたのですが、今年はセルトレイでの育苗を考えています。その時に使用するセルトレイの穴が288穴。一つの穴に一粒ずつ、ゴマのような大きさのタネを手で落としていくのは、とてつもなく時間がかかる作業です。これを50枚近くやらないといけないのですが、想像するだけでも地獄です。そこで活躍してくれるのが「種まきくん」です。
この道具は、木枠の中にアクリル板が二枚重なっていて、上の板はタネが入るギリギリの穴を、下の板には一回り大きな穴を開けてます(インパクトドライバーに、アクリル版専用の穴あけビットをつけて開けました)。
(タネの大きさの穴を開けた黄色の板と、一回り大きな穴を開けた透明の板)
(木枠に板をセットしていきます)
(小さい穴にタネが入って、黄色の板をスライドすると…)
(穴が重なり、下の板の穴からタネが落ちます)
(スライド部分はバネの反発で自動で戻ります)
市販されているものもあるのですが、かなり高額です。288トレイ用で玉ねぎの裸タネ(コーティングされていない種)を使えるものが見つからなかったので自作したのですが、材料費は6000円くらいですみました。さらに、この「種まきくん」は上下の板が取り外しできるので、板を交換することでどんなサイズのタネやセルトレイにも対応することができます。
頭でイメージした物を、形にするのは大変で、頭をフル回転させて疲れてしまいますが、私にとって道具づくりは、野菜づくりと同じくらい楽しい時間でもあります。
村田寿政(むらたとしまさ)
熊本県 南阿蘇村
1982年福島県生まれ。東京でグラフィックデザイナーをしていたが、震災を機に農業を志す。看護師の妻と二人で有機農業の学校で学び、南阿蘇の椛嶌農園で研修後、2016年に「ことぶき農園」を開く。将来は種まきから種取りまで楽しみながら学べる、畑の寺子屋を開くのが夢。