2018.06.29
肉豚が出荷されるまで②
肉豚を出荷するまでの4つの成長段階について、
前回は、①哺乳期、②離乳期を紹介したので、その続きを書きます。
③肥育前期(70~120日齢)
約30kgの大きさになると、第2回ブログで紹介した「発酵床」の肥育舎に移動します。
うちの肥育舎は、
①自然光と風が入る開放型
②自由に走り回れる広さ
③好きなだけ掘り返すことができる発酵床
が特徴です。
最近は、温度や換気を機械で管理して、衛生リスクを抑えられる
ウインドレス(窓無し)豚舎が主流ですが、
「できる限り自然に近い環境で育てたい!」という親父のこだわりで、
ストレスフリーな設計になっています。
ここでは、1日600~800gのペースですくすくと成長します。
④肥育後期(120~180日齢)
体重が約70kgになると、いよいよ最終段階。
さらに広い部屋に移動して出荷の日まで育てます。
写真だと少し狭く見えますが、2つの部屋を行き来できるように
仕切りの一部をわざと空けた作りになっています。
出荷前の約2か月間は「仕上げ期」とも呼ばれ、米やハーブなどが有名ですが、
特色のあるエサを与えることで肉質や味を大きく変えることができます。
うちでは、「亜麻仁(あまに;亜麻という植物の種子(仁))」の成分を原料としたエサを与えていて、甘さやコクが強く、脂が美味しい、といった特徴の豚に仕上げています。
うちの育て方はこんな感じですが、
全く違う育て方をする養豚家の方もたくさんいらっしゃいます。
「これが正解!」というものはないので、もっと良い育て方がないか日々模索中です。
村上昭平(むらかみしょうへい)
北海道 上富良野町
1989年北海道生まれ。北海道大学経済学部卒業後、東京の外食企業やコンサルティング会社で働く。家業を継ぐと決めてから有機農業の学校に通い、2018年1月に家族が営む「農事組合法人一心生産組合」で就農。伯父、父、母、従兄や兄弟と共に大家族で働く。