2020.11.28
自家採種で大切にしていること (後編 母本の選定)
畑の周りの木々の葉も落ち切ってしまいました。
いよいよ冬支度も大詰め。
今年の雪の積雪量は多いとか今年も少ないとかそんな話が絶えない日々です。
黙っていても来月は年末。最後やり残したことが無いように、
来年気持ちの良いスタートが切れるよう片付け準備を進めていきたいと思います。
今回は、前回に続き自家採種に関してです。
僕は主に以下の理由で自家採種を行っています。
・自然栽培と自家採種はセット
(土地の力を引き出す種も同時に育てていかないといけない)
・未来にこの土地の新しい伝統野菜を
(在来種と名乗る可能性を秘めている)
・野菜つくりに命を感じることが出来る
(より責任感と充実感を持って仕事ができる)
今年ブログを書かせてもらって客観的に自分を見ると、
改めて目指していることが整理されたように思えます。
『農業という仕事を通してこの土地を活かし残る文化を作りたい』
文化というと大げさですが、
僕の栽培している品種は少し食卓に馴染みがないものも少なくはありません。
ただ変わったような野菜が作りたいわけではなく、
愛着があり自信をもって美味しい!とお客さんへ伝えられることの出来る品種を選び、
食べ方も含め多くの方へ食べて頂く機会を増やす為、
色んなアプローチの商品を作り(青果・飲食サービス・加工品等)
「『ソヤ畦畑』の野菜を使った料理が毎年食べたくなる。この料理を作りたくなる」など
食べて頂く方の心に残る野菜・農家を目指しています。
それには個性的で土地に馴染む種が必要不可欠です。
自家採種は手間がかかり
失敗したときのリスクや交配種と比べると劣るところもありますが
毎年種と共に始まり種を採らせてもらい終えると
一緒に時間を過ごす働く仲間のような家族の様な感覚になります。
多くの方に喜んでもらえる 必要とされる
野菜・種・農家に成長していきたいです!
(種取り前の完熟状態の果実)
(フランス ニース の緑の丸ズッキー二 『チアロ』の採種)
(『万願寺とうがらし』 『ハンガリー鈴ピーマン』などピーマン系は、辛い因子のある種が残らないように味をチェックしながら採種します)
(師匠から受け継いだ 『青大豆』 もいよいよ脱穀)
ソヤ畦畑(うねはた) 森本悠己
facebook:@soya.unehata
instagram:SoyaUnehata
農園の日々はこちらをご覧下さい。
森本悠己(もりもとゆうき)
ソヤ畦畑(うねはた)
岐阜県 飛騨市
1985年岐阜県生まれ。東日本大震災を契機に生き方を考え直し、食の分野で故郷の資源を活かせる仕事に就こうと決意。「土地の個性」「土の力」を最大限に活かして素材を輝かせる自然栽培に活路を見出し、2017年4月「ソヤ畦畑(うねはた)」を開く。自家採種や固定種・在来作物の栽培を通じて、野生味あふれる美味しさ、美しさ、楽しさ、種や命の儚さを表現していきたいと語る。