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2014.09.19

農家は家をつくる

今年は秋の訪れが早く、千葉県の夏は過ごしやすかったです。
雨が多くて畑に出られない日が多く、そのお陰で(?)家づくりが少し進みました。

いまの家に引っ越して約2年になるのですが、実はまだ家が完成していません。
当初の予定では半年くらいで完成しているはずだったのですが。

ハーフビルドというのですが、基礎・屋根・骨組みなどの難しい部分はプロにやってもらい、
内装は住みながら自分で作って、施工費用を抑えましょうという方式です。
これも言うのは簡単ですが、やり切るのは大変。


「何でそんなことやってんの?」と言われることも多いのですが、趣味というよりは、よくわからない義務感というか、修行みたいな感覚で始めました。

農家になる前の東京での生活は、お金を出せばなんでもやってもらえて便利なのですが
専門化された自分の仕事以外のことが何もできなくなりそうな危機感を感じていました。
自分はそういうコンプレックスが必要以上に強かったのでしょう。
そんな折に農家の見学に行って、そこで家を基礎から全部セルフビルドしているのを見て衝撃を受けました。
器用なひとは電気工事まで自分で勉強して資格取ってやってしまったり。

百姓とは、百の職業のことだとよく言いますが
野菜やコメを作るだけではなくて、
農家のひとは必要なことは何でも自分でやってしまいます。
農家にあこがれた理由のひとつはこれでした。

そんなわけでハーフビルドでも簡単そうに見えてしまったのですが
なかなか進まないので家族からブーブー言われています。

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写真は自分の部屋の、内装施工前(上)と施工後(下)です。
ピンク色のが断熱材で、その上から石膏ボードを張り、木材でふち取りしたあと、仕上げに漆喰を塗ります。

次の写真は、電線の地中埋設をしているところ。
隣の土木屋さんからユンボを借りてやってみました(写っているのはユンボではなくトラクターです)。

0919miyamoto2

自分の手でいろいろやってみて感じること。
餅は餅屋といいますが、やっぱり要領が良くて時間の作り方の上手な人でないと難しいですね。
プロにお願いするときに、話がしやすかったり、そのありがたみがわかるようになることが一番良いことかもしれません。

ただ、有機農業の細々としたキャッシュフローでは、
時間がかかっても出費を最小化せざるを得ないので、
うちでは今後も修行の日々が続きそうです。

challenger

宮本雅之

Mr.ストイック
宮本雅之(みやもとまさゆき)
千葉県 君津市

1976年兵庫県姫路市生まれ。
大学卒業後、IT系企業、不動産会社にて勤務。林農園(千葉県佐倉市)での一年半の研修を経て、2011年に就農。

宮本農業 http://seedsaving.jp/

写真家の眼 宮本雅之

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