2014.06.18
地域のしきたり
今回は農業から少し外れますが、自分の住んでいる地域コミュニティについて書いてみようと思います。
先日、今年一番の大仕事だった消防操法(そうほう)大会が終わりました。
操法とは都会の方には聞きなれない言葉と思います。自分はここに移り住むまで知りませんでした。
二年に一度開催され、地元消防団から4~5名が選手として選ばれます。
競技の内容は、簡単に言うと消火作業なのですが、合図されてから標的に放水できるまでのタイムと、動きの正確性、美しさなどを競うというものです。
競技自体は5分程で終わる短いものですが、その5分のために数ヶ月間にわたり、計約250時間もの訓練を課せられます。
都会の人がこういう説明を聞くと、「消防団に入っている人だけの特殊な世界」という印象を持たれるかもしれません。
制度自体は都市部にも同様にありますが、都会では一部の人しか入らなくて済む、特殊な世界かもしれません。
ただ、これが、人が少ないところに行くと、実質ほぼ強制的に全員に課せられ、これをこなして初めて地域の一員と認められるようなところがあるのです。
事前に頭で理解していても、実際に始まってみると、時間的・体力的な負担で、仕事にも大きく影響してしまいます。
それでも皆それを承知したうえで、地域のしきたりと割り切って参加しています。
写真は、私の住む集落。
広い田んぼがありますが、新しい家もぱらぱらとあって、過疎というほどのところではありません。
主要道沿いにはスーパーやドラッグストアなんかも普通にあって、私を含めて外部から引越ししてくる人もよく居る地域です。
この集落では消防以外にも、自治会・青年会・婦人会・区・組・水利組合・体育協会などさまざまなくくりで地域活動が存在します。
当然負担も大きいのですが、個人的な信頼関係から家族の就職を世話してもらえたり、自営業の人は注文が増えたり、すぐに直接的なメリットが得られるという面もあるようです。
「誰かが仕事を辞めた」と聞けば、面倒見の良い人が仕事をあっせんしてくれたり。
誰もが極端には困らないような配慮があって、こういうのが治安の良さにつながっているのかなと感じます。
どちらが良いとも悪いとも言えませんが、郷に入っては郷に従え。
農村への移住を考えている方は、地域活動についてよーく調べてからをおすすめします。
Mr.ストイック
宮本雅之(みやもとまさゆき)
千葉県 君津市
1976年兵庫県姫路市生まれ。
大学卒業後、IT系企業、不動産会社にて勤務。林農園(千葉県佐倉市)での一年半の研修を経て、2011年に就農。