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2014.04.15

よろしくお願いします

よろしくお願いします

こんにちは。
千葉県の君津市で農家をしています
宮本雅之です。

これから冬までの間、自分自身の農業への思いや
普段の畑での農作業の様子を随時更新していきます。
「畑の歳時記」のようなものにしたいと思っていますので、
みなさんお時間ある時にでもぜひ読んでみて下さい。

まず、第一回目は、私自身がどうして農家になったのか。
そのあたりのことから、お話ししていこうと思います。

野菜の味がしないと思ったことはありませんか。
私は姫路から上京し、都内で過ごした学生時代にそのことを感じました。
高級スーパーで色々な野菜を色々買ってみたけど、同じでした。
それがずーっと不思議でした。

就職したのは野菜とか食品とは全く関係のない、IT系などの法人営業でしたが、
30過ぎて、脱サラして、次の仕事を模索するなか、フラっと有機農家の会合に参加した時のことです。
そこにはものすごく風味の強い在来大豆とニンジンがありました。
その味に引き寄せられて、有機農家の研修に行くようになりました。
研修先の農園には、いっぱいありました。子供の頃食べた、懐かしくて強烈な風味のする野菜が!

正直最初は興味本位で始めた研修でしたが、とにかくどれを食べても美味しくて、
それで健康になるのを実感するうちに、徐々に就農を現実的に考えるようになっていきました。

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研修先の師匠は、農業の技術=土作りに非常にこだわる人ではありますが、
それ以上に「品種に勝る技術なし」との考えから、さまざまな特長のある品種を育て、その種(たね)も自分で採っています。

簡単に種が採れるものとそうでないものがあって、
種苗会社が作った新しい品種は簡単に種がとれないことがわかりました。

これは偏見かもしれませんが、やっぱり昔から脈々と種が受け継がれてきた、由緒正しい品種のほうが総じて個性が強くて味も美味しいのが多いです。
それらが一般的に在来種とか固定種とか言われる品種です。

しかしこういった昔ながらの品種たちは、その個性のためにとにかく今の流通に合いにくく、生産流通効率が悪い。
だから毎年生産量は先細りで、効率の良い新しい品種に取って代わられてしまったということも判りました。

たとえばダイコンは箱詰めしやすいために寸胴で、長さ38センチ×太さ9センチ。
キュウリは海苔巻きの海苔の20cmサイズにあわせて、長さ21〜22センチ。もちろん真っ直ぐ。
そんな規格に合わせた品種が存在するのです。

あらゆる野菜でこうした品種改良が積極的に行われました。
結果安くて大量に供給できるメリットがある一方で、食味が 犠牲になった側面も。
味のしない野菜の正体がだんだん見えてきたのでした。

次世代に在来種や固定種の味を伝え、受け継いでいきたい。
というか、こんなに美味しい食味や食文化を絶対に途絶えさせるわけにはいかない。
このシンプルな目的のため、僕は農業を始めました。
みなさま応援をよろしくお願いします。

challenger

宮本雅之

Mr.ストイック
宮本雅之(みやもとまさゆき)
千葉県 君津市

1976年兵庫県姫路市生まれ。
大学卒業後、IT系企業、不動産会社にて勤務。林農園(千葉県佐倉市)での一年半の研修を経て、2011年に就農。

宮本農業 http://seedsaving.jp/

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