SHARE THE LOVE

2021.12.02

マルシェで考察する農作物のターゲット層と価格設定

今月は、収穫体験やマルシェなど、イベント盛りだくさん!!土日もほぼ休む暇がありませんでした。毎年恒例の落花生の収穫体験は、行政の依頼で移住希望者を対象に行っています。今年は2回に分けて開催し、40名近くが参加しました。初めて落花生を収穫する人がほとんどで、掘る時には「こんな風になってるの?!」と驚きの顔が見られます。生産者にとってもお客さんの生の反応が見れるのはやっぱり嬉しいですね!

misaki16-1

(毎年恒例になった落花生収穫体験の様子)

こうしたイベントは、普段自分の人件費を換算しづらい農作業と違って、体験料金、農産物直売で間を通さず直接収入を得ることが出来るメリットもあります。今後、季節毎に収穫体験や気軽に養鶏について学べるOPEN FARMDAYの開催など、農家のコト売りにも力を入れていきたいです。

さて、11/20(土)に初めてSHARE THE LOVE for JAPANの挑戦者として、東京代官山で開催された「大地のマルシェ」に参加しました!やっと同期の石原さん川口さんにも会えて嬉しかったですね!今回は代官山という立地もあり、直売で動きやすく高単価なものをセレクト。平飼いたまごと加工品、そして生落花生を持っていきました。今までの経験から、こうしたマーケットに来るお客さんは、農家との交流を楽しみ、価格を気にせず購入される方が多いと感じます。私もお客さんの立場だったら、気に入ったものの値段はそこまで気にしないので、その感覚も大切にしながら販売方法を考えています。

misaki16-2

(全国から集まった農家仲間!ジャンルも様々でとても刺激を受けました)

直売の時は、まず市場価格を調べ、参加する農家さんの価格を見てから値段設定をしますが、今回は特に「皆さん安いなぁ」という印象でした。「せっかく労力をかけてここまで来ているのだし、地元の感覚で販売したり、慣行栽培の作物と同等の価格にしたら、価値が下がって勿体ない!」というのが正直な私の本音でした。

misaki16-3

(たまごは手に取りやすい4個入りと6個入りをメインに販売)

misaki16-4

(加工品はマルシェでは特に売りやすい。レシピはQRコードで表示)

今回の戦略として、価格を過大表示せず、たまごはあえて価格を書かずに販売しました。アロウカナの青たまごは珍しさもあり、興味を持つ方が多く説明も熱心に聞いてくれる方が多かったです。しっかり農園のこだわりを伝えることで、かなり強気な価格設定をしたにも関わらず無事完売することが出来ました!

misaki16-5

(ご購入後「頑張ってね!」という声を沢山いただいて励みになりますね)

農作物を作付けする際に、「どんな人に向けて生産するのか」「どこへどんな価格で販売するのか」をあらかじめ考えることが重要だとこの3年で学びました。当園では、現在、卸や小売店に向けたBtoBが8割を占めてますが、来年はネットストアを充実させたいので顧客と直接つながるBtoCも増やしていきたいと考えています。

そのためにも、農産物を求めるターゲット層の把握や、今後の価格設定の参考にすることができて、今回はとても良い勉強になりました。そして、全国に農家仲間が増えたことが何よりの財産です!今後も繋がりを大切に、同じような悩みを共有したり、農業全般に関わるアイデアやヒントを吸収していきたいと思います!このような機会を作って頂いて、有難うございました!


島ノ環ファーム
FB @shimanowa.awajishima
Instagram @shimanowa.farm
農園ブログ https://shimanowa-farm.com

challenger

三崎咲

三崎咲(みさきさき)
島ノ環ファーム
兵庫県 洲本市

1988年東京都生まれ。農大卒業後、スイスの農家⺠宿で働き、有畜複合農業を学ぶ。淡路島へ移住後、2018年7月、夫と共に「島ノ環ファーム」を開き、念願の就農を果たす。「平飼いたまご」の養鶏と、その鶏糞や地域の竹や落ち葉といった資材を活用した無農薬・露地野菜を生産。島の名産でもある玉ねぎをメインとして15品目ほどを栽培し、「小さく地域で循環する有畜複合農業」を目指す。

過去の記事を読む

2021 挑戦者

BACK TO TOP