2021.11.02
秋冬の野良仕事!竹林整備と竹チップの有効活用
今年の玉ねぎ苗、この3年で一番良い出来となりました。やはり「苗半作」というだけあって、強い苗を育てる土壌改善は必須ですね。一番初めは、苗床予定地が雑草まみれの放棄地から始まりガチガチ酸欠状態だったので、細くまばらな苗しかできませんでした。苗を育てる9~11月の2カ月間以外に緑肥や自家製竹チップ堆肥で徐々に土壌改善を行った結果、理想的な苗作りが見えてきたので今後も続けていこうと思います。
(9月1日蒔きの玉ねぎ苗。鉛筆より少し細い程度の太さが理想的)
(10月上旬、ようやく3反分のマルチをかけ終わり一安心)
現在(10月19日)、落花生の出荷のピークを迎えているため週3日の出荷の合間に、玉ねぎとニンニクの定植中。全て夫婦2人で手植えなので1日で植えられる量は限られていますが、10月上旬から12月上旬が定植期間なので苗の成長具合を見ながら順々に定植しています。これから寒くなる季節なので、風の強い淡路島は定植期間は特に骨が折れるんですよね。背中にホッカイロを沢山張って定植する前に、早く植えていかなければ!!
(地域で問題になっている放置竹林の整備の様子)
冬にかけての野良仕事のひとつに、放置竹林の整備があります。淡路島でも放置竹林の増加は問題になっていて、放置すると山が荒れて獣害が増えたり、竹の暴走で畑が山に飲み込まれ地滑りが起こる事例があります。今後、人口減少が続く中で避けては通れない集落の課題です。
(伐採した竹をチッパーで粉砕。竹チップを軽トラに詰め込む)
中山間地での農業で、自身の農業と集落、そして山林との関係は切り離せません。毎年冬になると、農業仲間や集落の人と共に地域の竹を整備して労働力を提供する代わりに、粉砕した竹チップをもらってます。
うちではもう欠かせない土壌改良材の竹チップ。まず袋に密封し、嫌気状態にして乳酸発酵させてから鶏舎の敷床や踏み込み温床に使います。(※一度発酵させるのは、乳酸菌を増殖させる目的と、発酵した竹チップが柔らかくなり鶏が食べても喉に刺さる危険がなくなるため)
竹は消臭効果があり、かつ鶏糞と相性が良く土壌改良剤としてもとても優秀です。養鶏を通して、地域の厄介者とされている竹を、新たな地域資源として有効活用できるのは意義のあることなので、冬の山仕事も大切な農家のお仕事ですね。
島ノ環ファーム
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農園ブログ https://shimanowa-farm.com
三崎咲(みさきさき)
島ノ環ファーム
兵庫県 洲本市
1988年東京都生まれ。農大卒業後、スイスの農家⺠宿で働き、有畜複合農業を学ぶ。淡路島へ移住後、2018年7月、夫と共に「島ノ環ファーム」を開き、念願の就農を果たす。「平飼いたまご」の養鶏と、その鶏糞や地域の竹や落ち葉といった資材を活用した無農薬・露地野菜を生産。島の名産でもある玉ねぎをメインとして15品目ほどを栽培し、「小さく地域で循環する有畜複合農業」を目指す。