2021.05.25
まさかの梅雨入り…。露地栽培の圃場作りと、作付け品目の考え方。
4月後半から5月にかけては、夏野菜の定植と春野菜の出荷ピーク、草勢強まる草刈が重なり只でさえ慌ただしい日々ですが、今年はこの時期まさかの梅雨入りという追い打ち。
梅雨時期は色々と段取りが崩れて、「あの時圃場作っておけばよかった…涙」という悔しさに包まれる事が多いです。特に当園の畑は、田んぼを転作した圃場で粘土質な為、ちょっとの晴れ間では全く乾きません。
元肥えを施す果菜類の圃場は、定植の1カ月前には完成させておかないとその後の定植が大幅に遅れてしまいます。今年は無事夏野菜の圃場が作れて一安心するも、定植前の落花生圃場が梅雨に突入し今まさに天気とにらめっこ中です…。
4月中旬に定植した毎年種継ぎしている加工用トマト。支柱を立てて怒涛の芽かき作業に突入!
露地栽培パプリカ。高単価だが栽培リスクも高く、今後冬春野菜に注力するためにフェードアウトする可能性の高い品目。
当園は7反15枚の畑で、約10品目の無農薬野菜を輪作で回しながら栽培しています。
作付けでは、メイン商品が極早生の新玉ねぎなので、年間占有率が高く最も失敗できない玉ねぎの圃場を一番重要視します。それ以外を、どの圃場で回していくか。露地栽培の夏野菜は特に台風や大雨の影響を受けやすいので、それに比較的強い品目(うちではオクラ)が一番ハードな圃場で育つ運命です。
毎年種採りしているオクラさん、少しでもうちの粘土質な圃場に順応してもらいたいものです。
5月中旬、春野菜の出荷もそろそろ終盤。今年は、新玉ねぎと同梱できるスナップえんどうとグリーンピースの成長が良く、今までで一番多い収量となりました!
豆は鮮度が命なのでほぼ毎日収穫して当日即出荷。慌ただしくもあるけど、暖かい淡路島は関西圏でも早く成長することが出来、単価も高く販売できる有難い春野菜です。
固定種の長鞘グリーンピース。甘みが強く実のつまりが良い品種でファンになる人が多い。
私なりに考えていることですが、小規模農家で拘りを持ちながらしっかり生計を立てていくために、
・旬を先取り出来る高単価な野菜(春の菜花、豆類、葉付き玉ねぎ)
・栽培の難易度が高く他ではあまり栽培されていない野菜(トロペアロッサルンガ、露地パプリカ)
・栽培が容易かつ多収であり単価は安いがまとめて出荷出来る野菜(オクラ、じゃが芋等)
と分けて品目を考えています。卸と小売店販売が主なので、「今時期は○○さんの○○が美味い!」と思ってもらえる主力品目を生産して、品質を上げていく努力が毎年必要ですね。
グリーンピースとスナップえんどう畑。今年田んぼから畑作へ転作した圃場。
スナップえんどう、ピーク時は20~30キロ収穫します。淡々とひたすら豆採り。
同じ作業が辛い人もいるかもしれませんが、私この豆作業が大好きなんですよね。
どんな野菜を栽培するにしても、根っこの部分は「この野菜好き!皆に食べて欲しい!」という気持ち、テンションが上がるかが最終的には大切な気がしますね!!
島ノ環ファーム
FB @shimanowa.awajishima
Instagram @shimanowa.farm
農園ブログ https://shimanowa-farm.com
三崎咲(みさきさき)
島ノ環ファーム
兵庫県 洲本市
1988年東京都生まれ。農大卒業後、スイスの農家⺠宿で働き、有畜複合農業を学ぶ。淡路島へ移住後、2018年7月、夫と共に「島ノ環ファーム」を開き、念願の就農を果たす。「平飼いたまご」の養鶏と、その鶏糞や地域の竹や落ち葉といった資材を活用した無農薬・露地野菜を生産。島の名産でもある玉ねぎをメインとして15品目ほどを栽培し、「小さく地域で循環する有畜複合農業」を目指す。