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2021.05.12

なぜ平飼い養鶏?理想の有畜複合農業の実現へ!

「養鶏×野菜栽培」の農業形態で、なぜ平飼い養鶏なのか?とよく聞かれます。
答えは、「食べたいと思うたまごがないから」です。世界の畜産で“アニマルウェルフェア(動物福祉)”の概念が基本になりつつある今、日本では見動きが取れないゲージ飼い養鶏が95%を占めます。そのほとんどが遺伝子組み換えの輸入飼料に依存し、オーガニックという概念が浸透している野菜に比べて畜産は遅れているのが現状です。
10年前スイスの農家で働いていた時、欧州では多くの人が家畜の健康から自らの健康を考える視点を持っていました。帰国後、日本の畜産はあまりに消費者と遠く、実態が知られていない現状をずっともどかしく感じていて、ならば私がやるしかないと一念発起!

元々移住先を決める前から「平飼い養鶏をやる!」と考えていた為、“自家配合飼料の原料を調達出来る地域であること”を条件に移住先を探していました。その土地の副産物で配合した飼料を与え育てることが、平飼い養鶏の醍醐味であり強みです。淡路島は自給率100%を超える凄い島で、副産物が多く出ることを見越し移住を決めました。

現在、養鶏を始めて2年。養鶏は「うるさい汚いイメージ」が強く建設地は悩みましたが、鶏舎は家の敷地内に建設しました。風通しと日当たりの良い鶏舎です。岡崎おうはんの卵肉兼用種と、青い卵を産むアロウカナという2種類の鶏を計108羽育てています。初生雛から鶏の成長に合わせて自家配合飼料で育て、ストレスのないよう十分な緑餌(雑草や野菜くず)も与えています。
鶏舎の敷床には、放置竹林の竹チップや落ち葉を敷き詰めているため、見学に来る人は「嫌な臭いが全然しない!」と驚かれますね。この敷床は、鶏糞と混ざって自然発酵し、半年から1年後に払い出して温床へ移し完熟堆肥化した後に畑に還元しています。

卵は、島内外の飲食店に販売してますが、最近は定期購入や通販の個人客が増えてきました。問い合わせも多く、平飼いたまごの需要の高まりを感じています。まだまだ羽数は少ないですが、鶏の精神的肉体的な健康を第一に考えながら、お客さんにも身近な鶏やたまごの事をより深く理解してもらえる機会を今後沢山作っていきたいと思います!

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島ノ環ファームの平飼い養鶏、一番のこだわりは自家配合飼料と環境!!

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自家配合飼料には、くず米、米ぬか、菜種油粕(五色町特産の菜種油)、魚粉(熊本県産/酸化防腐剤不使用)、牡蠣殻など。ポン酢粕やカニ殻、オリーブ粕など季節により変わる。

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風通しと日当たりの良い鶏舎。自分が鶏だったらどう思うか…と常に思って世話をする。

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産みたてのたまごは温かい。殻が固く、綺麗なレモンイエローの黄身と臭みのない弾力のある白身が特徴。

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カラフルたまごと春野菜セット。コロナ禍で個人宅配の需要が増えたことで、新たな顧客層を獲得することが出来た。


島ノ環ファーム
FB  @shimanowa.awajishima
Instagram @shimanowa.farm
農園ブログ https://shimanowa-farm.com

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三崎咲

三崎咲(みさきさき)
島ノ環ファーム
兵庫県 洲本市

1988年東京都生まれ。農大卒業後、スイスの農家⺠宿で働き、有畜複合農業を学ぶ。淡路島へ移住後、2018年7月、夫と共に「島ノ環ファーム」を開き、念願の就農を果たす。「平飼いたまご」の養鶏と、その鶏糞や地域の竹や落ち葉といった資材を活用した無農薬・露地野菜を生産。島の名産でもある玉ねぎをメインとして15品目ほどを栽培し、「小さく地域で循環する有畜複合農業」を目指す。

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