2021.04.27
移住就農リアル。初めに気を付けるべきこと
只今当園では、主力作物である新玉ねぎと、トロペアというボーリングのピンのようなイタリア葉玉ねぎを出荷中。うちでは、就農当初から無農薬玉ねぎを栽培していますが、実際に淡路島で生産されている無農薬玉ねぎは1%にも満たない現状です。
販売先の需要はかなりあるのに、供給量があっていません。
移住就農で気を付けるべきなのが、自分のやりたい農法(例えば無農薬や自然栽培など)がどの地域や集落なら通用するのかという事です。
淡路島のような産地で無農薬栽培をする事は特に気を付けなければなりません。場所によっては「病気や草のタネをまき散らしに来たのか」と捉えられる場合もあります。まずは地域の農業や情報を知ることがとても重要です。
私の場合、島へ移住して1年間は2箇所の自然栽培農家の下で研修しつつ「どの地域なら自分のやりたい農業が出来るか」を見ていました。そして決めた今の地域は、やはり1年間の研修生活で得た人脈が大きく、勢いで行動しなくて良かったと思っています。
「農業」とは、地域の人達とそれまでの環境保全があってこそ出来るものなんだと、ここで暮らし始めて気付かされました。移住当初やりたい事だけを考えていたのが恥ずかしい…。
中山間にある今の畑は、ずっと昔の人が山を開拓して畑にした土地で、今私たちの代に受け継がれて次へ繋いでいくものです。
実際集落入りして、農業以外の山仕事や濃ゆい人付き合いもたくさんあります。正直めんどくさい事もあるけど、それもひっくるめて農家の仕事だと思ってます。
その代わり、この集落だからこそ出来る農業のカタチを創造していくのでこんなに面白いことはないですね。
次回は、「平飼い養鶏を軸とした有畜複合農業」について書こうと思います。
昔ながらの落とし水の仕組みが残る中山間地の畑。獣害対策は必須。
1月末から葉付き玉ねぎ、3月末から新玉ねぎとして出荷。出来る限り固定種で栽培。
高付加価値のある野菜栽培を目指す。シェフに人気なトロペアロッサルンガ。
放置竹林の竹チップと自家鶏糞を利用した温床。自家採種3年目の加工用トマト苗も順調に生育中!
加工用トマトの圃場準備。7反14枚、中山間特有の手狭な畑が多い。
島ノ環ファーム
FB @shimanowa.awajishima
Instagram @shimanowa.farm
農園ブログ https://shimanowa-farm.com
三崎咲(みさきさき)
島ノ環ファーム
兵庫県 洲本市
1988年東京都生まれ。農大卒業後、スイスの農家⺠宿で働き、有畜複合農業を学ぶ。淡路島へ移住後、2018年7月、夫と共に「島ノ環ファーム」を開き、念願の就農を果たす。「平飼いたまご」の養鶏と、その鶏糞や地域の竹や落ち葉といった資材を活用した無農薬・露地野菜を生産。島の名産でもある玉ねぎをメインとして15品目ほどを栽培し、「小さく地域で循環する有畜複合農業」を目指す。