2020.05.30
地元の在来種、伝統野菜のこと。
皆さんこんにちは!
今回は自分が栽培する作物について少々お話しできればと思います。
僕が就農して野菜を栽培するにあたり、取り組みたかったことのひとつが「在来種の野菜を作る」こと。そして、「松山にも在来種の野菜があることを知って欲しい」という想いがありました。
愛媛県は主に柑橘栽培が盛んですので、野菜の在来種となるとパッと思い付くものは2〜3種くらいでそう多くはありません。(庄大根や清水一寸蚕豆、伊予緋カブなどでしょうか)
そんな愛媛県松山市の在来野菜のひとつである『松山長なす』を今年栽培しています。
今回、地元の苗立て屋さんが本来の在来種である『松山長なす』の種から苗を立てるという情報を聞きつけた私は迷わず苗立てをお願いしました。
<定植後の『松山長なす』。今年は接木苗。>
実はこの『松山長なす』、現在その名前で出回っている茄子は「庄屋大長」という品種に置き換わっており、本来の在来種である『松山長なす』の種から栽培されたものはもうほとんど出回っていないと話に聞きました。(中には昔からずっと種を採り続け生産されている方もいらっしゃるかもしれませんが残念ながら詳細は不明です。※今回使用した種は地元の種苗センターで保管されていたものらしいです。)
農家は野菜を作り、それをお金に換え生計を立てなければならないので、栽培面におけるメリットデメリットと葛藤しながら栽培品目は段々と絞られ選択されていくこともあり得ます。
そういった中でおそらく収量が安定し秀品率が多く育てやすい品種への置き換えがおきたのだと考えます。※あくまでも自分の推論を基にした意見です。経緯についてはまた調べておきます!
自分が物心ついた頃にはもう市場にほとんど出回っていなかったであろう在来の『松山長なす』。まずはこの目でその姿かたちを見てみたい。そして味わってみたい。これが農家である以前に松山市で生まれ育った者としての興味と欲求なのかもしれません。
あと私、何を隠そう大のナス好きでして。。。本当のところ栽培したい大きな理由のひとつはそこにあるというのは内緒です。
栽培がうまくいけば7月頃のブログでまたご紹介できるかと思います。
それまでしっかりお世話してまいります!
それではまた〜。
ドとソとミ 松﨑
instagram:do_to_so_to_mi
松﨑悠生(まつざきゆうき)
ドとソとミ
愛媛県 松山市
1980年愛媛県生まれ。グラフィックデザイナーとして活動していたが、松山の地で先祖代々受け継がれてきた農地を自分の代で絶やすことなく継承したいと考え就農を決意。有機農業生産法人に勤務後、農業の理解を深めるべく日本各地を来訪。2020年4月に独立就農し「ドとソとミ」を開く。安心できる地元の資材を用いた無農薬・無化学肥料の循環型有機農法で育てた旬の野菜を旬の時期に届けたいと意気込む。