2018.11.21
『野菜と旅する』旅のはじまり
「パーマカルチャー関西」が兵庫県西宮市で開催している、連続9回の菜園講座のうちの1つ、
『野菜の種採り講座』に講師として呼んでいただきました。
今年で3回目となる、年に1回の恒例行事です。
恒例といっても、話べたな私は、毎回前の日からどきどきしてしまうのですが、
不思議とこの講座は参加者の優しさと穏やかさのお陰で、
とても良い時間を過ごす事ができるのです。
「パーマカルチャー」は、パーマネントアグリカルチャー(持続可能な農耕&文化)の造語で、
暮らしをとりまく全ての事がら(衣・食・住・人・情報)を合理的に再配置して、
持続可能な暮らしをデザインする考え方を提案しているのですが、
かく言う私も、2009年に参加したパーマカルチャー講座で、初めて野菜を作る事を学びました。
それから5年間、家の前の小さな花壇で数々の失敗を繰り返しながら家庭菜園を楽しみました。
そんな中で、苗を買っては収穫できず、種を買っては発芽に失敗し、
野菜を買うよりも経費がかかるというちょっと哀しい現実をつきつけられました。
そんな折、農山村へ野菜調査の旅にでていた際に出会った、
農山村で何世代にも渡り種を繋ぎ、地域の野菜をまもって来たおばあちゃんの生き方は、
まさに持続可能な生き方のモデルのように感じました。
そこから、自分で種を採り、経費をかけない野菜作りを研究し始めたのが、
今の農業スタイルの原点になっているように感じます。
(農業を生業にしてからは、投資もしていますが、地域の資源で野菜を作るスタイルを今でも目指しています)
話が少し脱線してしまいましたが、種採り講座では
「種採りが止められなくなる程面白い4つの理由」を軸にお話をし、
(1つは勿論、お金がかからないこと。あとの3つは講座に参加された方だけのお楽しみです)
実際に種を採るワークショップも実施し、野菜の新しい楽しみ方をお伝えできたように思います。
(種採り講座の様子)
初めて野菜を育てた時のトキメキを思いだし、野菜を育てるようになって10年を迎える今、
とても恵まれた生活をしているなあとしみじみ思います。
松本真実(まつもとまみ)
滋賀県 東近江市
1981年生まれ。大学院卒業後、分析機器の会社で研究職につく。会社員時代から在来種の野菜に興味を持ち研究調査に同行。さまざまな農家と出会って就農を決意する。三重の有機農業法人に2年間勤務した後、2016年、滋賀県東近江市で、菜園「野菜と旅する」を開く。