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2018.10.17

種を採る日のために

滋賀県では冬野菜の種蒔きは10月初旬までに完了し、
あとは、冬の寒さの中でじっくりと野菜が育つのを見守ります。
9月は思いのほか寒く成長が遅れ気味ですが、
早く収穫した冬野菜でお鍋がしたいですね。無事に大きくなりますように。

実は、日本で食べられている冬野菜の多くは地中海近郊が起源地にあたります。
人参、大根、かぶら、ブロッコリーなど、冬の間に根っこに栄養を蓄え、
春になると一斉に花を咲かせて種をつけ、地中海では深刻になる夏の乾季を
「種」という形で乗り切る植物なのです。

野菜の種採りは手間も暇もかかりますが、
なかでも畑に居る時間の長い冬野菜はとっても大変です。
なにせ、種を蒔いてから種を採るまでに10カ月近い歳月がかかるのですから。
そのため、秋に種を蒔く時点で、種取り用の畝を決めたり、
畑のマッピング(どこに何を植えるかの計画)にはとても気を使います。
それでも、種蒔きの締切が迫る秋はバタバタとして、
なし崩しに変更になってしまう事も多々あります。
圃場の使い方をもっと工夫して、効率的な作付をできるように改善して行きたい
今日この頃です。

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(人参の種、秋の種まき前ギリギリの種掃除)

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松本真実

松本真実(まつもとまみ)
滋賀県 東近江市

1981年生まれ。大学院卒業後、分析機器の会社で研究職につく。会社員時代から在来種の野菜に興味を持ち研究調査に同行。さまざまな農家と出会って就農を決意する。三重の有機農業法人に2年間勤務した後、2016年、滋賀県東近江市で、菜園「野菜と旅する」を開く。

写真家の眼 松本 真実

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