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2018.05.29

虫との徒然

日中は夏の陽気で、畑の虫たちも活発になってきています。
私の畑は、この時期『きすじのみは虫』が大量に発生します。1mm目の農業用ネットでぴっちりと覆っても侵入し、アブラナ科の野菜はこの虫に食べられて葉っぱがレース状態になってしまうのです。

「一種類の害虫が偏って大量発生せず、多様性に富んだ畑を作るには?」
という課題に対して、私が気長に取組んでいる事があります。

1つ目は、「夏に裸地にしない事!」
これは、乾燥土壌を好む『のみは虫』対策でもあるのですが、その天敵となる昆虫の棲みかにもなるように、畝間は、麦、胡麻、ヘアリーベッチ(雑草抑制に効果のあるマメ科の作物)で覆うようにしています。

そして2つ目は、「雑草の植生も豊かに保つようにする事!」
この時期、気を抜くと畑は雑草の犬蓼(イヌタデ)だらけになってしまうのですが、『のみは虫』はこの犬蓼を好んで食べている事を最近発見しました。やはり餌が偏ると害虫も偏るのだろうと考え、犬蓼だけは何がなんでも抜くつもりで雑草対策をしています。

そんなこんなで、この時期にアブラナ科の野菜を作るのは将来の楽しみに回し、夏場の葉物は写真の「おかのり」を中心に作っています。「おかのり」を好む『あわのめい蛾』はほとんど発生しないため、どんな場所でも一長一短あるんだなと思います。

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(順調に育つ「おかのり」)

土づくりと共に、風土にあった野菜を大切に育てていきたいですね。

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松本真実

松本真実(まつもとまみ)
滋賀県 東近江市

1981年生まれ。大学院卒業後、分析機器の会社で研究職につく。会社員時代から在来種の野菜に興味を持ち研究調査に同行。さまざまな農家と出会って就農を決意する。三重の有機農業法人に2年間勤務した後、2016年、滋賀県東近江市で、菜園「野菜と旅する」を開く。

写真家の眼 松本 真実

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