SHARE THE LOVE

2017.12.23

一歩のなかみ~挑戦のまとめ~

このブログも最終回となってしまいました。
SHARE THE LOVE for JAPANの挑戦者を名乗らせていただき、初めてオーガニック市場を意識した今シーズン。牧野農園としてどんな歩みができたのか、総振りかえりをしてみます。

一番大きかった変化は、意識の変化です。
トマト農家として公的機関から補助金や給付金をいただく5年間は、生産者として経営を軌道に乗せなくてはならないという義務感があり、正直に言うと、独自に販路を展開していかなくてはならないオーガニック市場には、あえて関心をもたないでいました。有機農法による生産には興味があるので、JA出荷のトマトをオーガニックに変換していくことは、長い目で見ればきっと可能だと思います。でも、経営や販路が絡めば話は別です。

けれど、SHARE THE LOVE for JAPANというオーガニック市場へ熱意のあるプロジェクトに関わり、生産者の皆さんや消費者の方々と出会い、実際にオーガニックライフスタイルEXPOというマーケットに参加する機会を持てたことで、今後、牧野農園も居場所を見つけられるかもしれない、と思うようになりました。また、ブログを投稿することで、ポワンとしていた経営構想や、何となく行ってきた栽培と向き合うことができ、経営方針が明確になっていきました。

こうして、オーガニック市場に関して「関心をもたない」状態から、「結構気になる」状態に変わったことは、見えない一歩だけれど、大きな一歩だったなぁと、感じています。そして、牧野農園らしいオーガニック市場への介入の仕方も思い描けるようになりました。

・トマトなどJA出荷メインの作物は循環型農業として極めていき、需要のある規格外の作物などから直売スタイルを築いていく。
・オーガニックな自給野菜の販売。
・里山を含めた循環の中にある暮らし(農的暮らし)を共有するコミュニティの拡大。
・料理人である夫が使う食材を、牧野農園のオーガニックな食材に変換していき、夫の飲食業をオーガニック市場に適合させていく。

この4つです。
細くても、長く永遠につづくものを作りだしていけたらいいなと思っています。

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(夫のピザ。材料のミニトマト、バジル、ニンニクなどは季節により自給。この写真に写っているチーズは「チーズ工房アドナイ」さんのもの、リンゴは「あんざい果樹園」さんのものです。それぞれ有機的な楽しいお付き合いをさせていただいています。トマトソースは大玉トマトではなくイタリア品種のサンマルツァーノでの自給を計画中です。そして小麦粉はより健康なものにかえていきたいです。このピザを味を損ねることなく、作り手の顔の見えるピザに変えることが、牧野農園の課題の一つです。)

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牧野萌

牧野萌(まきのもえ)
北海道 蘭越町

1983年宮城県生まれ。宮沢賢治に憧れ岩手県立大学で環境政策を学ぶ。震災後、野菜を作る勉強をしようと料理人の夫と1歳半の娘と仙台から移住。蘭越町で研修を受けた後、就農、「牧野農園」を開く。トマトを選んだのは、夫が得意なイタリア料理に使えるという理由も大きい。

写真家の眼 牧野萌

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