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2017.07.15

夏はメモ

最近は、イチゴの収穫・出荷、トマトの管理作業、雑草処理、ハウスの新設、集落共同作業、家庭菜園、以前ブログでも紹介した、養蜂民泊など、春にもまして目まぐるしく明け方から夕暮れまで動き回っていました。暑い日中も、エゾハルゼミの鳴き声につられてしまい、なんだか休んでいられません。「夏―!」という感じです。

そしてこんな時期は、見るものや感じるものも多く、記録や、疑問点書き出しなどのメモがたまります。例えばこんな記録写真。

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(カビが発生してもイチゴを食べ続けるアリたち)

アリにより食害されたイチゴを見るたびガッカリしていた時、カビが生えている状態になってからもずっとアリが群がっている様子にびっくりして撮ったもの。
「アリは分解者だったんだ、アリがいることがダメということではないのかもしれない」と視野が広がった一コマです。
ナメクジもそうでした。

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(カビの生えたイチゴを食べるナメクジ。アリと同じく「分解者」なのですね。)

こんな時、ふと思い出して取り出すのは、大学時代に使っていた生態学の入門書。
当時は全てを学びきれず途中で挫折してしまいましたが、実体験も増えた今、読み込み能力も上がっていることを期待し、再挑戦したいと思っています。

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(「地球人として生活していくときに最低限必要な生態学の知識はすべて網羅」されるように努力されてつくられた生態学入門書。「生態学入門」編集 日本生態学会、発行者 小澤美奈子、発行 東京化学同人、2004年発行。)

ただ専門的な言葉が難しく、さっと見ても頭に入ってきません…。この入門書としっかり向き合うのは農閑期の冬になると思うので、今のうちに、理解へのヒントとなるメモをたくさん残していきたいと思います。
そして、来シーズンの農業に活かせる知識を増やしたいなと思います。

余談ですが、農業者である以前に、私の最大のライフワークは自然の生態系の一員となって生きていくこと。これは、学生時代に行った、世界遺産「白神山地」など生態系の調和がとれた自然界でのフィールドワークが原点です。

農業でも家庭でも必要なお金は多く、稼ぐために妥協する点も少なくないですが…経済社会に踊らされないように、必要最低限の、環境に負荷を与え過ぎない農業を探っていきたいなと思います。

challenger

牧野萌

牧野萌(まきのもえ)
北海道 蘭越町

1983年宮城県生まれ。宮沢賢治に憧れ岩手県立大学で環境政策を学ぶ。震災後、野菜を作る勉強をしようと料理人の夫と1歳半の娘と仙台から移住。蘭越町で研修を受けた後、就農、「牧野農園」を開く。トマトを選んだのは、夫が得意なイタリア料理に使えるという理由も大きい。

写真家の眼 牧野萌

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