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2017.07.01

農家民泊の受け入れ

蘭越町には、地域産業の営み・文化を観光資源として、様々な地域産業の体験事業を展開しているマルベリーさんがあります。牧野農園もマルベリーさんの事業の一つ、農家民泊事業「地域産業営み生活体験」の受け入れ側で登録しており、都会の子供達が修学旅行で我が家にやってくることがあります。

民泊受け入れの理由は、トマトハウス1棟分に相当する収入的なものも大きいですが、都会ではなかなか味わえない農業地帯の躍動感や、四季折々のリズムにあった農業を中心とした暮らしの楽しさを共有できたら…という思いでお迎えしています。

民泊で体験してもらう作業は、その時々で私たちの手が回っていないもののお手伝いです。これからは、トマトの芽かきや誘引などの管理作業、除草がメインとなってきそうです。

参加者はそれぞれ、音楽を聴きながら、歌いながら、おしゃべりしながら、もしくは無心で。私たち含めみんなで裸足になってやることもあります。

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(好きな音楽をかけながらのトマト誘引作業)

一般的に消費者には見えてこない土のこと、微生物のことも伝わるといいなと思い、タイミングが合うときはそういう作業も体験してもらうようにしています。

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(手作りの発酵培養液の散布体験。この他に、もみ殻燻炭を撒く作業を体験してもらうこともあります。)

このような体験を通して、例えばスーパーに並ぶトマトを見て、その生育にはたくさんの生き物の関わりあいがあり賑やかな環境であることや、作り手もそのトマトの要素となっていることを想像してくれたらいいなぁと思いまです。

また、料理人(夫)がいる我が家、作業で疲れたあとの食事はお楽しみの一つです。定番となっているのはミートソースパスタと、豆カレー、ピッツァ、ハンバーグ、豚丼、自然卵の卵かけご飯、トーストとハチミツ、旬の野菜を生で食べたり茹でたりして頂きます。

そして、食事の前に食べごろの野菜を収穫してきてもらったり、食事に入っていた野菜の種を蒔いてもらったり、揃えた食材の裏話を聞いてもらったりします。民泊中はいつもより物語にあふれる食卓になるよう、こちらも楽しんでいます。

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(元料理人の夫の腕慣らしにもなっている、民泊用の食事づくり。)

民泊の最後には、またいつでも私たちの暮らしにまざってきてね、名残惜しいね、という気持ちで「またね」とお別れします。

まだ牧野農園の経営は安定しておらず作付面積も増やす計画があるので、いつまでこのような民泊の受け入れをする時間的な余裕があるのか正直ちょっと不安ですが、今後もたくさんの消費者と出会える農園になるように、できる限り努力していきたいなと思います!

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牧野萌

牧野萌(まきのもえ)
北海道 蘭越町

1983年宮城県生まれ。宮沢賢治に憧れ岩手県立大学で環境政策を学ぶ。震災後、野菜を作る勉強をしようと料理人の夫と1歳半の娘と仙台から移住。蘭越町で研修を受けた後、就農、「牧野農園」を開く。トマトを選んだのは、夫が得意なイタリア料理に使えるという理由も大きい。

写真家の眼 牧野萌

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