2017.06.10
養蜂すること
農作業の合間に、硫酸山で有機農業の師匠である下島さんに養蜂を見習わせていただき、
4シーズン目に入りました。
ミツバチの社会への理解は、いまだにぼんやり眺めている段階で、養蜂技術もまだ身についていませんが、生活圏が半径3キロといわれるミツバチの営みを近くに感じるだけで、意識的に自然界に目を向けるようになります。養蜂することで、普段気に留めないような事にも視野を持ち続けられることは、私にとって財産でもあるなぁと思います。
(硫酸山での養蜂作業。3キロ圏内の蜜源である花の開花状況や、これからは、天敵であるスズメバチ、猛禽類でハチを主食とするタカの一種、ハチクマの様子が話題になります。)
一方養蜂の技術の面ですが、いつも下島さんご夫妻に作業を誘導していただくばっかりでは技術が身につかないと思い、イチゴ栽培のスタートを機に、昨年から自分のイチゴハウスにもミツバチの巣箱を置き、養蜂を勉強してみることにしました。
私のミツバチは受粉用で、産卵する女王蜂がいない無王群のため、群の寿命は1~2ヶ月と短く、内検(巣箱の内部検査)は特に必要としないのですが、下島さんから教わった養蜂作業に習って、週一回内検をしています。
巣箱を開けて見て「餌の蜜や花粉は足りているか」、「幼虫は順調に成長しているか」、「病気になっていないか」、「ダニが付いていないか」を見ていきます。
(卵があったので、まだしばらくは元気だと思われるミツバチ群)
養蜂をしていて気になるのは、周囲で使用される農薬です。
私はミツバチに影響のないものを選びますが、ハウスを出て蜜を集めてくるミツバチも
多いので、周囲の動向も気になります。
ハウスの周りは稲作地帯なので、ミツバチに悪影響があると言われているネオニコチノイド系の農薬(殺虫剤)がヘリコプターで撒かれることもあります。その際は、ミツバチの巣箱を一定期間どこかに移動させるか、ミツバチを閉じ込めておく必要があります。
いつか、地域でこういう農薬によるミツバチへの影響の話ができて、稲作地帯で健全な
養蜂ができるようになればいいなと思います。
牧野萌(まきのもえ)
北海道 蘭越町
1983年宮城県生まれ。宮沢賢治に憧れ岩手県立大学で環境政策を学ぶ。震災後、野菜を作る勉強をしようと料理人の夫と1歳半の娘と仙台から移住。蘭越町で研修を受けた後、就農、「牧野農園」を開く。トマトを選んだのは、夫が得意なイタリア料理に使えるという理由も大きい。