2016.07.14
もったいな~い
この3年間に起きた私の変化。
それは食べものへの「もったいな~い」の感覚。
農業の道に入るほんの3年前までは、お野菜にそれほど関心がなかった私。
有機やさいなんぞ手にしたこともなかったほど。
カブの葉、ナスのへた、大根の先っちょ、かぼちゃの種なんて、
三角コーナーにポイポイポイポイしていたな。
それでも何とも感じていなかった。
興味があったのはお皿に乗ったおいしいモノだけ。
ところが畑を耕し、種をまき、双葉を応援し、いのちの成長を見ていると
彼らがモノではなく同じ生き物として目に映る。
自然といのちを大切にしたい気持ちが湧いてくる。
これは頭で考えたのもではなく、経験から体と心で感じるもの。
だから、お野菜のどの部分もとてもとても捨てる気になれないのです。
「もったいな~い、もったいな~い」となるわけなのです。
でも昔の人にはこの感覚、当たり前だったんだろうなあ。
梅干しづくりで出来る梅酢を調味料とし、
お米を精米してできるヌカでぬか床をつくる。
モノではなく命としての感覚がより研ぎ澄まされていたのだと思います。
と、私にしては真面目なことを書いたところで、
今日のもったいな~いのご紹介。
その① これは天ぷらにすると絶品なのですよ。
プチプチの食感がたまらないピーマンの種、
それから実の部分よりも歯ごたえがあるナスのへた。
その② 今夏、人生初の自家製ヌカ床によるヌカ漬け。
日本人のDNAがビビッと目覚める旨みに感動します。
ゆっくり、じっくり菌を育てる楽しみまで味わえちゃうのです。
北川美帆(きたかわみほ)
高知県 中土佐町
1976年 神奈川県生まれ。15年間、国際線のキャビンアテンダントとして勤務した後、「自然の中で感じる豊かさを自分の豊かさとして生きたい」という思いが生まれる。2年間の研修を経て、2015年、研修時代に知り合った夫とともに高知県で就農。農業のテーマは、子供たちと母親世代の食育。生命力に溢れるお米や野菜を食卓に届けること。また、畑や自然の中で行う様々な体験型イベントも展開していきたいと考えている。