2019.09.15
有機農業、理想と現実。 自然保護活動がやりたくて。
突然ですが、僕の行動の軸は「自然」です。
サーフィンや登山が好きで、一番の興奮ポイントは圧倒的な自然に出会うことです。
遥か彼方から押し寄せる台風からのうねりのパワー、重圧感。
その時その場所でしか出会えない山での一瞬の自然の表情。
そういうものに強く魅かれてしまいます。
<山梨、甲斐駒ヶ岳>
<長野、八ヶ岳>
<鳥取、那岐山>
有機農業に興味を持ったのも「地球にやさしい」というイメージからでした。
でも自分なりに理解を深めていく中でそんな「有機=地球にやさしい」が崩れました。
人が経済活動を行えばどうしたって自然破壊に繋がってしまうと思っています。
有機でもトラクターのような農業機械や、マルチ等の資材を使う人は多いと思いますが、それらは石油に依存せざるをえなく、果たして「自分の畑」という小さい世界だけの生物多様性と、もっとマクロに見た時の地球資源の大量消費はどちらの方が自然へのインパクトが強いんだろう、と悶々としてしまいます。
加えて、ここが一番引っかかるポイントなんですが、慣行農業同様にそういった資材を使っておいて、自分の野菜収量は慣行農業の何割上げられているのか。
野菜一つで見た時の環境負荷はどちらの方が高いのか。
こういうことを考えると、絶対にもっと勉強して努力して収量上げられるようにしたい!と強く思ってしまいます。
先日人気家具メーカーのIKEAさんの話を聞く機会があったのですが、さすが環境大国の大企業、製品のカーボンフットプリントをどれだけ減らせているかを徹底的に調べて数値化していました。
IKEAレストランでもいつ、何が、どれだけロスしたのかのデータを蓄積していて、フードロスを減らす努力をしているそうです。
こういった現実を知ると、無条件に「有機=良いこと」のような「何となくのイメージ」って本当に怖いし意味ないなあ、と思ってしまいます。
そんなこんなで我が家で本当にやりたいこと、軸にあることは何だろうと悩み悩んだ結果、環境問題や自然保護活動に携わりたい!ということに帰ってきました。
そこで気づいたことが、環境問題と一口で言っても、ものすごく広範で多くの問題が複雑に絡み合っていることでして、やっぱり一つ一つを自分なりに理解していかないと分かったふりでしかない、ということです。
また環境問題への理解が自分の農業のやり方にも絶対にプラスになると思っています。
少しでも早く目標の年間売り上げ1,500万円、粗利率50%に持っていく、かつ勉強や活動の時間を持てるための組織づくりや経営方法に近づけたいと思っています。
また個人的に農家として忙しくしながら取り組むことに意味があるんじゃないか、と思っています。
ただ僕みたいな実績も何もない人間が理想ばかり言っていることほど意味のないことはないと思っているので、まずは実績上げて、農業次世代人材投資資金のような補助金に頼る必要のない、自立した農家に早くならないといけないと鼻息荒くしています。
今は農業技術もないし、環境問題への理解も皆無な状態ですが、自分の理想実現に向けてやれることをやっていこうと思います!
川崎亮太(かわさき りょうた)
HATAKEYA
三重県 いなべ市
1986年埼玉県生まれ。青年海外協力隊でエチオピアなどで暮らした経験や、環境問題への関心から、有機農業を始める。神奈川県の「NO-RA〜農楽〜」千葉康伸さんの元で3年間学んだ後、2018年3月、妻と共に「HATAKEYA」を開く。徹底的に学び、「有機だから」という言い訳なく胸を張れる野菜を作ることが目標。