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2019.05.16

変態イモ農家との出会い(前編)

いなべの農家仲間にジャガイモ、さつま芋を主にやっている変態農家(以下、隊長)がいます。
超人パワーで表すと、バッファローマンあたりに相当する変態超人です。
農業に対する徹底的に突き詰める姿勢が衝撃的で、去年僕がたくさんの農家さんを訪ねて勉強しようと思った大きなきっかけをくれました。
驚くのは、元々自然栽培でスタートしたのですが、あるきっかけがあり慣行農業に転向します(自然栽培2年、慣行農業3年目です)、そしてすごい野菜を作っています。

kawasaki3-1

ジャガイモは給食向けに作っていて、2Lサイズを狙って去年は反収3.8t。
写真だと伝わりづらいですが、
1株から「2kg=中玉(300g)4~5個+小玉(150g)2~4個」を狙います。
僕なら大喜びですが、隊長の今年の課題は逆に反収3tに揃えること。

kawasaki3-2

さつま芋は、焼き芋業者向けで、1株からこのサイズをこれだけ採ります。
ただ、焼き芋用にお尻をもっと丸く締めたいらしく、理想の形にするべく今年はわざと軽い硬盤を作って実験をするそうです笑


隊長のジャガイモ栽培で気を付けるポイントをザッと挙げると

<植え付け前>
・土の粒子の細かさ(これは前作後にチェック)
・排水、硬盤の位置、作土層の把握(一枚の畑の中でも違う)
・前に施したサブソイラー、プラウの結果確認
・日陰や、雨がたまる場所の確認
・畝立てタイミング(主に水分。ジャガ=乾、サツマ=濡)

<種芋>
・自家種は使わない、信頼ある業者から(病気の原因シャットアウト。栽培に集中する)
・自分の地域に合った品種選び(北海道品種は三重には合わない)
・生育、作業効率を考えた芋の切り方

<栽培>
・植えつけ後いつまでにトップギアに持っていけるか、の環境作り
 例えば、植える深さ(すぐに芽が出て光合成できるか。
ストロン2段目まで採れる深さか 1段は少ない、3段は多い) 
 隊長的には、展開葉15枚に最短で持っていきたい。
・欲しいジャガイモのサイズ、量を考えた葉面積指数を狙う
・発芽後徒長しない&収穫20日前に窒素が切れる肥培管理

簡単にですが、これだけでも去年の僕には「???」でした・・・笑
次回、後編では、なぜ隊長が自然栽培から慣行農業に転向したのか、その衝撃的なきっかけを書かせてもらおうと思います!

challenger

川崎亮太

川崎亮太(かわさき りょうた)
HATAKEYA
三重県 いなべ市

1986年埼玉県生まれ。青年海外協力隊でエチオピアなどで暮らした経験や、環境問題への関心から、有機農業を始める。神奈川県の「NO-RA〜農楽〜」千葉康伸さんの元で3年間学んだ後、2018年3月、妻と共に「HATAKEYA」を開く。徹底的に学び、「有機だから」という言い訳なく胸を張れる野菜を作ることが目標。

写真家の眼 川崎 亮太

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