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2021.10.02

加工品製造 麦茶の完成と学び

秋分を迎え、暦の上では秋本番。赤く咲き誇る彼岸花が季節の移ろいを教えてくれます。

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前回のブログでも書きましたが、9月で私たちが移住してきて丸一年。
この節目の時に、私たちの目標の一つであった六条大麦の麦茶をようやく完成させることができました!しかし大麦の収穫は6月初旬、なんと完成まで3か月の時間を要してしまいました。

麦茶といえば夏。できれば7月中には完成させたかったのですが、完全なる準備不足。
麦茶の最盛期である夏をひとつ無駄にしてしまったのは大きな痛手です。

今回は反省も踏まえ、初めての加工品作りを振り返ってみたいと思います。

麦茶を作るにあたっては、まず委託先に最小ロットを確認し、作付面積を決めるところから始まりました。私が問い合わせした先は、原料で300kgは用意してほしいとの事でした。
初めての土地で無肥料、無農薬という事もあり、収量が全くイメージできなかったのですが、どうしても初年度から麦茶を完成させたかったので、かなり少なく見積もって反収100kgなら3反。念の為4反作ろうと決めました。結果4反で収量は700kg強。反収で約180kgと想像以上の収穫量となりました。

今思えば就農前の販路も人脈も何もない中でいきなり麦茶を作ろうと4反の作付けを決めたのは無謀というか、良くも悪くもよくやったなと思います!

無事収穫を終え、乾燥調製も済ませ、総収量も確定し、いざ加工へ!と行きたかったのですが、ここで一番の問題。加工資金がない!恥ずかしながら就農時の自己資金はほとんどなく、そもそも収穫量が分かるまで、必要資金の見積もりも立てられず、しかもここまでパッケージング等、何も決められてない状態でした!どこまで無計画なんだ!

ここから慌てて、パッケージングを考え、包装資材の選定、商品ラベルのデザイン、そして見積もり。ようやく必要資金が確定し、準備できたのが8月中旬でした。
こちらの準備さえ整えば、ここからはプロの仕事。
あっという間に念願の麦茶が完成しました!

日々の作業をこなしながらの初めての経験は、かなりハードなものでしたがとてもいい勉強になりました。
ブランディングや販売、そして資金繰りなど、これまでほとんど考えずに行き当たりばったりで来ていましたが、今回の経験を今後に生かしていきたいと思います。

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完成した「つちのわの麦茶」

飲んでいただいた方からは、「雑味がなくすっきりしていて、麦のやさしい甘みも感じられる。」と嬉しい感想をいただき、諦めずに作って良かったなと、今は嬉しさと安堵の気持ちでいっぱいです。

まだまだ販売に関しては課題がたくさんありますが、求めてくださる方へ大切に届けていきたいと思っています。

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organic farmつちのわ
instagram:@tsuchi_nowa
facebook:@organic farm つちのわ

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川口晃平

川口晃平(かわぐちこうへい)
organic farm つちのわ
岡山県 和気町

1987年大阪府生まれ。気候変動への危機感から環境問題に関心を持ち、家庭菜園を始める。土から生まれ、土に還る命の営みや、土壌生態系の美しさに感動し、農業を生業として美しい自然環境を守りたいと考え、就農を決意。研修を経て、2020年9月「organic farm つちのわ」を開業。無農薬・無施肥・自家採種を基本とした自然栽培で、⻨・大豆・露地野菜の栽培を始める。

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