2021.09.23
Iターン就農 ようやく1年
9月に入り、日は短くなり、朝晩はだいぶ涼しくなってきました。
鈴虫の鳴き声とともに秋の訪れを感じます。
気が付けば、私たちが岡山県和気町でIターン就農し、1年が経とうとしています。
昨年の9月に移住してきて初めて作付けしたのが大根でしたが、今年の大根の作付け準備も始まりました。昨年の経験から改善点や試したいこともたくさんあり、何よりこの土地で初めて採種した種を土に下ろすのがとても楽しみです。2年目へ向けて志気を高めつつ、今回は少しこの1年を振り返ってみたいと思います。
まず初めに感じるのは、集落の皆さんへの感謝。
どこの誰かもわからない私を温かく迎えてくださり、いつも気にかけ、応援してくれています。同時に大きな期待も感じますが、集落を守りたいという皆さんの想いを感じます。農村に住み、農地をお借りして強く思うのは、田畑があり、耕作できるのは当たり前ではないという事。集落を築き、田畑を守ってきた先人がいたからこそ、ここでの暮らしがあることを忘れてはいけないなと思っています。
次に、自身の営農について。
栽培作物は、麦、大豆など穀物をベースに、野菜の中量中品目という考えでやってきました。
穀物はまだ販売に至っておらず、野菜は適作物の選定もあり、この1年は少量多品目的になりました。そういう意味でまだまだこれからではありますが、販売に関して自分の中で方向性が定まっていないので、そこはしっかり考えないといけないなと思っています。作った作物をどこへ届けたいのか。飲食店なのか、小売店なのか。野菜セット等を個人宅配するのか。もちろん複合的でもいいと思いますが、ベースとなるところをしっかり定めないと、計画も練れないなと感じています。
とは言え、有難いことに、町内で志を同じくする仲間との出会いもあり、月1回マルシェへ参加したり、野菜を置いてくれるお店もできました。直接野菜を注文してくれるお客さまもいて、少しずつですが私たちの野菜や想いが広がっているのを感じます。
色々と改善すべきところはありますが、まずはこれまで築いてきたご縁を大切にし、求めてくださる方へしっかり作物を届けられるよう、栽培技術を高め、美味しい野菜を作っていきたいと思っています。
(主力作物である大豆畑と大豆の花。この冬、無事初収穫となるか!楽しみです!)
organic farmつちのわ
instagram:@tsuchi_nowa
facebook:@organic farm つちのわ
川口晃平(かわぐちこうへい)
organic farm つちのわ
岡山県 和気町
1987年大阪府生まれ。気候変動への危機感から環境問題に関心を持ち、家庭菜園を始める。土から生まれ、土に還る命の営みや、土壌生態系の美しさに感動し、農業を生業として美しい自然環境を守りたいと考え、就農を決意。研修を経て、2020年9月「organic farm つちのわ」を開業。無農薬・無施肥・自家採種を基本とした自然栽培で、⻨・大豆・露地野菜の栽培を始める。