2021.07.16
中山間地農業 この地で生きていく覚悟
7月、梅雨の最中、じめじめと暑い日が続きます。
夏の果菜類も採れはじめ、活気づく日々。
作物も草も虫も、畑では生き物たちが生き生きと躍動しています。
そして山の動物たちも。
6月から日課になっていたズッキーニの収穫と人工授粉。
先日もいつも通りズッキーニの畑に行くと、
「あれ?ズッキーニがひっくり返ってる!?」
近づいてみると株元がごっそりっと掘り返され、食べ散らかされたズッキーニ。
種採り用に残していた二つの大きな完熟果も畑からきれいに姿を消していました。
恐る恐る別の畑も見回りに行くと、サツマイモやオクラ、空心菜も掘り返されていて、一晩で起きた目の前の光景に愕然とするしかありませんでした。
少し前から集落内で頻発していた猪被害。
話は聞いていたのですが、対策を講じる余裕もなく、
この日が来るのを待っていたかのように迎えてしまった瞬間でした。
これが中山間地域の農業か!
研修先では一度も経験したことのなかった獣による農作物被害。
この地で生きるにはあまりに考えが甘かったようです。
そんな中、集落でお世話になっている方から、
「罠猟の免許をとられぇ!罠の作り方とノウハウも教えてやるから!」
と、考えてもいなかったありがたい一言。
集落の狩猟者も高齢化で猟をする方が減っていて、後継者を育てたいと以前から考えられていたようで、声をかけてくださりました。
今回の一件、悔しく、落ち込みもしましたが、この地で生きていく為のある種の覚悟と、新たな可能性も見えたような気がしました。
最後に現在の畑の様子を!
(イタリアナスのヴィオレッタ・ディ・フィレンツェ。厚切りでなすのステーキにすると絶品!)
(ワイルドチェリートマト。直径1.5cmほどの小さなトマト。甘みと酸味のバランスが絶妙!)
(さつまいも畑。猪の被害にあったところは植え直して再挑戦!)
(大豆畑。一回目の中耕除草を終えたところ!)
organic farmつちのわ
instagram:@tsuchi_nowa
facebook:@organic farm つちのわ
川口晃平(かわぐちこうへい)
organic farm つちのわ
岡山県 和気町
1987年大阪府生まれ。気候変動への危機感から環境問題に関心を持ち、家庭菜園を始める。土から生まれ、土に還る命の営みや、土壌生態系の美しさに感動し、農業を生業として美しい自然環境を守りたいと考え、就農を決意。研修を経て、2020年9月「organic farm つちのわ」を開業。無農薬・無施肥・自家採種を基本とした自然栽培で、⻨・大豆・露地野菜の栽培を始める。