2021.05.26
農村の暮らしと限界集落
5月に入り、集落内も田植えの準備で賑わってきました。
籾蒔きの日は一大イベントのように家族が集まっている様子があちこちで見られます。
大切なお米を作る為に家族で協力している姿はとても豊かで美しいです。
先日は集落内の溝掃除も行いました。
平年よりも3週間早い梅雨入り発表があった日、土砂降りの中でしたが、70~80代の大先輩の皆さんがばりばり溝の泥を上げたり、草を刈ったりしている姿には驚くとともに頭が下がりました。
そう、ここはいわゆる限界集落と言われる所。
定年して帰郷してくると「若者が帰ってきた!」と喜ばれるような超高齢化集落です。
それでも集落では5月の溝掃除以外にも、11月には溜池の土手草刈り、年2回クリーン作戦と題して、皆で草刈りと掃除を行い、各自も田畑や山林の草刈りをこまめにされていて、とてもきれいに管理されています。
神事や祭事も大切にされていて、農村文化が色濃く残っています。
寄り合いがたくさんあり大変なこともありますが、集落や文化は自分たちで守るという気概が溢れていて、皆さんとてもかっこよく、この集落が大好きです。
ふと心配になるのはやはり5年後10年後のこれからの事。
皆さん5年後には耕作できず田畑がどんどん空いてくるよと言われます。
同じく挑戦者の石原さんも掲げている農村の再生。
農ある暮らしの豊かさや楽しさを発信し、この美しい集落を守る為に自分にできることを模索したいと思っています。
梅雨入り前になんとか植えられたなす。
ゆっくり育つ春播き人参。
初めて育てた越前赤そら豆が美しい。
organic farmつちのわ
instagram:@tsuchi_nowa
facebook:@organic farm つちのわ
川口晃平(かわぐちこうへい)
organic farm つちのわ
岡山県 和気町
1987年大阪府生まれ。気候変動への危機感から環境問題に関心を持ち、家庭菜園を始める。土から生まれ、土に還る命の営みや、土壌生態系の美しさに感動し、農業を生業として美しい自然環境を守りたいと考え、就農を決意。研修を経て、2020年9月「organic farm つちのわ」を開業。無農薬・無施肥・自家採種を基本とした自然栽培で、⻨・大豆・露地野菜の栽培を始める。