2021.05.13
果菜類の育苗と踏み込み温床
就農一年目の春、待ち遠しかった季節がやってきた。
まだ寒さの残る早春、梅の花が咲き始める頃、山に落ち葉かきへ。
夏の果菜類の発芽に必要な温度を確保する為、温床の準備をします。
温床には大きく分けて、電気で温める電熱床と、微生物が有機物を分解するときに出る発酵熱を利用する踏み込み温床があります。
失敗したくない芽出し、温度管理が確実で研修先でも利用していた電熱床と悩みましたが、何でも経験!という事で、踏み込み温床に挑戦することに。
今回温床に利用する材料は、広葉樹の落ち葉、河川に生えていた葦(ヨシ)、畑に生えていたカラスノエンドウやクローバーなどの青草。
手元にあった資材で枠を組み、水をかけながら材料をミルフィーユ状に重ね、踏み込んでいきます。
この時大切なのが水分量。
水分が多すぎると腐敗してしまい、少なすぎても微生物が活動できません。
ここでは研修先で堆肥づくりをしていた時の経験が活きました。
踏み込みから3日で45℃まで上がり、無事に発酵開始!
温度が持続せず、途中二回青草と水分を足して切り返しを行いましたが、発芽まで、温床内の床土は夜温20℃、昼30℃と理想的な温度をキープし、バッチリ発芽を揃えることができました!
これでようやくスタートライン!
ポットへ鉢上げし、定植まで一か月ほど水管理、温度管理とまだまだ気の抜けない日々が続く。
育苗土の配合(今回は畑の土と腐葉土を混合)や水管理など課題もたくさんあり、定植を控える5月上旬、目指していた苗には程遠いですが、何とかここまで来ることができました。
(イタリアなす ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェ)
(加熱調理用トマト なつのこま)
この経験が来年に活きると信じて!
まもなく畑へ旅立ちます!
organic farmつちのわ
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川口晃平(かわぐちこうへい)
organic farm つちのわ
岡山県 和気町
1987年大阪府生まれ。気候変動への危機感から環境問題に関心を持ち、家庭菜園を始める。土から生まれ、土に還る命の営みや、土壌生態系の美しさに感動し、農業を生業として美しい自然環境を守りたいと考え、就農を決意。研修を経て、2020年9月「organic farm つちのわ」を開業。無農薬・無施肥・自家採種を基本とした自然栽培で、⻨・大豆・露地野菜の栽培を始める。