2021.09.30
田舎に眠る耕作放棄地
毎日のように軽トラで田舎道を走ったり、暮らしたりしていると、田舎には使われずに眠っている資源が豊富にあるなぁと気付かされます。
1番に目立つのは土地。自分達が移り住んだ上久我の中だけでも、背丈を超える雑草や篠竹が生い茂る耕作放棄地が点々としています。また、年に数回草刈りをして手入れしているような目立たない耕作放棄地もあります。こういう土地は、買い手や借り手が見つからなくて、放ってもおけないので草だけは刈って生産力を活かせないまま休んでいる資源です。
もう1つは道具。明らかに使われてないと思われる農具が納屋の中にたくさんあって、現役で農業している農家さんの所にも旧型の使われてない農機具が眠っていることも多々あって、僕みたいな新規就農者にとっては貴重な資源に思えます。
最後は人。田舎で暮らしている人達(特に年配の人達)は、暮らしていくために必要な知識や知恵をたくさん持っていて、畑で作業していると向こうから気にかけてくれてアドバイスをいただけたりすることがあります。種まきのタイミングや野菜の貯蔵法などなど、その土地ならではの知恵を与えてくれて勉強になることが多いです。学校の教科書に載せて欲しいくらいです!笑 たくさんの知識の引き出しを持って指導してくださる田舎の人達も大切な資源に思えます。
この資源を生かせれば、田舎での農業は可能性が無限大だなと思えます。条件が不利な山間地でも農業をやっていきたい人にとっては、逆に好都合かもしれません。
耕作放棄地が多いので田畑も借りやすいし、平坦部よりも村に入り込みやすいと思います。耕作放棄地だからといって必ずしも土地が痩せているとは限らないし、山間地で耕作放棄する理由は、耕作条件の良し悪しではなく農業を続ける気力がなかったり後継者がいなかったりという深刻な社会構造の問題です。区画が小さければ、自給的な農業や小さい農業もやりやすいと思います。その中で環境のよさがマイナスになってしまう面もあります。特に、獣害があったり杉林に囲まれている所では、カメムシの大量発生が起きています。とはいえ問題はあっても工夫次第である程度は避けられると思います。
こういった思いや考えを実行して少しでも問題解決していけるように、家の周りから開墾整備の作業をはじめました。(畑の管理やおでん屋もあるので週に1回のペースを目安に)
今までいろんな作業をしてきましたが、開墾は大変な作業ランキングぶっちぎりの1位です。大まかではありますが、伐採→抜根→耕運という流れ。心折れそうにもなりますが、農地になる日を夢みて気長に作業していきたいと思います。
まずは林化している土地の伐採から。手伝いにきてくれた父の友達と伐採作業。慣れないチェーンソー作業はへっぴり腰気味です笑 早くチェーンソーにも慣れて使いこなしたいです!
今回のBGMはこちら
Bob marley「Talkin Blues」
芽吹音農園
instagram:@mebukune_farm
石原潤樹(いしはらじゅんき)
芽吹音農園
栃木県 鹿沼市
1992年栃木県生まれ。有機農業界の先駆者である「霜里農場」(埼玉県小川町)の金子美登さんに感銘を受け、研修生として師事。2018年4月、「芽吹音農園」を開く。農薬・化学肥料・除草剤を使用せず、さつまいもを中心に自家採種・固定種の露地野菜を栽培。週末は仲間達とおでん屋を営み、採れたての野菜を提供する。野菜を育てる過程や生活において、仲間、地域、自然とより深く有機的につながることを願い、畑に立つ。