2021.09.21
農業次世代人材投資事業の中間評価をうけて
9月に入り秋の気配が高まってきました。この時期にしてはなんだか落ち着かない天気が続きますが、雨がちょうどいい間隔で降ってくれているおかけで、毎年芽出しに大変な人参がばっちり発芽してくれてホッとしています。今年も天候に左右されまくりですが、その中でも育ってくれている野菜達にありがたみを感じます。
先日、農業次世代人材投資事業を受けている人を対象に行う中間評価がありました。
就農後、毎年1回あるこの現地調査。
市の農政課の職員と市内の有機農家(40年以上有機農業を営む大先輩、田島農園の田島さん)が栽培、経営状況の確認に畑に来てくださります。この調査で評価が低いと給付金の停止もあるみたいで、どことなく学校の試験みたいで毎回緊張しながら調査を受けています。
畑の様子を見て「3、4年目はこんなものだよ。懐かしい。やり続ければコツはつかめるから今後が楽しみだね」とおっしゃってくださり、まだまだこれからだと希望が湧きました!
いろいろな作物を見てもらう中で、今回は人参の雑草・排水対策について指導がありました。発芽した人参が草と競争しているのを見て、夏蒔きの人参は、透明ビニールマルチを使った太陽熱消毒後の播種をおすすめしてくれました。毎年、人参の除草と間引きには多くの時間を費やしていて、正直過酷さを感じていたところでした。太陽熱消毒は、以前から興味があったのですが、少しづつ作りあげてきた土を消毒することで土の中にある良い菌も無くなってしまいそうで、敢えて実践していませんでした。
田島さんも最初は躊躇されていたみたいなのですが、夏の暑い中で草取りする奥さまの姿を見て、「こんなに長時間草取りしてもらうなら、マルチを利用して家族の時間を増やしたい」「草取りしない分、作付けの量を増やして人参を多くの人に食べてもらいたい」と思い、太陽熱消毒をして種蒔きするようになったそうです。
就農当初は自然農法で栽培されていて、やっていくうちに量が全然とれなかったり家族に大変な思いをさせてしまったり、そんな状況から適正な価格で多くの人に野菜を届けるために有機栽培へ転換していったというお話もしてくださりました。
田島さんの話を聞き、指導を受けて、田島さんのような柔軟さ、こだわりを持って栽培するけど農法にとらわれない在り方を今後身につけていきたいと思いました。
どんなやり方が正しいとか間違いとかはないはずですし、それぞれの農法を用いるそれぞれの農家が信じたやり方で、健康的に美味しい野菜を育てている。健全な土の上に健全な野菜が育つ。この基本に振り返って、細かいことにこだわりすぎず今後も少しずつアレンジしながら自分の栽培方法を確立していきたいです!来年は、太陽熱消毒も試してみたいと思います。
今回のBGMはこちら
Gil Scott-Heron「I Think I'll Call It Morning」
芽吹音農園
instagram:@mebukune_farm
石原潤樹(いしはらじゅんき)
芽吹音農園
栃木県 鹿沼市
1992年栃木県生まれ。有機農業界の先駆者である「霜里農場」(埼玉県小川町)の金子美登さんに感銘を受け、研修生として師事。2018年4月、「芽吹音農園」を開く。農薬・化学肥料・除草剤を使用せず、さつまいもを中心に自家採種・固定種の露地野菜を栽培。週末は仲間達とおでん屋を営み、採れたての野菜を提供する。野菜を育てる過程や生活において、仲間、地域、自然とより深く有機的につながることを願い、畑に立つ。