2021.05.11
農家になるきっかけ
最近は農作業の合間に新しい場所への引っ越し作業と片付けでバタバタの日々が続いていましたが、やっとこ引っ越しも終えることができて一安心。
農業に対する新たな気持ちも生まれてきますが、初心にかえって今回は自己紹介で書ききれなかった農家になるきっかけを書いていきたいと思います。
農家への入り口となるきっかけを与えてくれたのは、大学在学中に働いていたアルバイト先のミュージックバーのマスターでした。
兄弟でお店に立っていて、閉店後夜な夜な呑みながら食や政治や音楽の話など、色々な話をしてくれて当時の僕にとっては大学のどんな講義よりも面白くて夢中になって聴いていました。
その中でも特に食の話に興味を持ち、話を聞いていく中で普段口にしている食べ物が農薬や添加物漬けになっている現状、農薬散布による健康被害や環境問題、食料自給率の低下、たくさんの問題が山積みになっている農業界を知ることができました。
この頃から自分で食べるものは可能な範囲で自給していけたらいいなと思うようになり、環境に配慮した有機農業に少しずつ興味が湧きだしたのを覚えています。
そんなある時に、埼玉県小川町で有機農業を営む金子美登さんの霜里農場見学会にマスターからお誘いを受け一緒に参加しました。
農場案内では、稲や野菜だけでなく、果樹、牛・鶏まで飼う農業の多様さ、さらには周りの資源を上手く循環させ、エネルギーまで自給する幅の広さに感銘を受けました。
何よりも金子さんがお話された時に「農家はフリーマンだ!」「有機農家は日本の未来をつくる仕事だ」という言葉に胸が熱くなり、社会に対しても百姓として立ち続けている姿勢は、まるで小さい頃憧れた戦隊モノのヒーローのようにも見えて自分もこんな生き方をしたい、霜里農場で暮らして農業を学んでみたいと思いました。
大学卒業後、研修生としてお世話になり霜里農場で過ごしていく中で農を生業にしていくことを決意しました。
世の中や社会に疑問を持ち、農の世界に新たな活路を見出そうと思っていた僕にとって、霜里農場は灯台のような場所で生き方のヒントがたくさん詰まっていました。
もし社会で息詰まり、農に関心のある人がいたらおすすめしたい場所でもあります。
スタートは金子さんと霜里農場への憧れでしたが、研修中や卒業後もいろいろな人達と出会い教わり、学び助けられ就農することができました。
新天地への引っ越しも終え、今は自分の想いと暮らしが少しずつ結びついてきています。
改めて有機農業の世界に憧れた初心の気持ちを忘れずに農業に励んでいきたいと思います。
今回のBGMはこちら。常に胸にバッファローソルジャー!♪
Bob Marley「Buffalo soldier」
畑も少しずつ賑やかになってきました!
ジャガイモの土寄せと芽かき作業。
強そうな芽を2本残して大きくなるよう願いながら鍬で土寄せ(滝汗)。
春蒔き人参も無事に発芽。草の勢いも凄い。
草からの救出作業に入ります!
芽吹音農園
instagram:@mebukune_farm
石原潤樹(いしはらじゅんき)
芽吹音農園
栃木県 鹿沼市
1992年栃木県生まれ。有機農業界の先駆者である「霜里農場」(埼玉県小川町)の金子美登さんに感銘を受け、研修生として師事。2018年4月、「芽吹音農園」を開く。農薬・化学肥料・除草剤を使用せず、さつまいもを中心に自家採種・固定種の露地野菜を栽培。週末は仲間達とおでん屋を営み、採れたての野菜を提供する。野菜を育てる過程や生活において、仲間、地域、自然とより深く有機的につながることを願い、畑に立つ。