2015.11.21
小さな直売所 Abby’s Farmの始まり
秋も深まり、いよいよ冬に季節が変わっていく頃になりました。
今まで防虫のためにネットの中で育っていた野菜たちも、そのネットが外されました。
もうすぐ霜が降りるようになるので、野菜の味も引き締まってきますね。
今日はオープンして1年が経った、小さなやおやさんの話をしたいと思います。
このお店の名前は 「Abby’s Farm(アビーズ ファーム)」 。
私たちの畑のあるまち、「我孫子(あびこ)の畑」という意味で付けました。
このお店は、化学肥料や薬を使わないで栽培をしているジモトの新規就農者たち5名と
福祉施設のコラボでスタートしました。今では7軒の団体で運営をしています。
このお店は、自分たちが作ったものを自分たちで売ることを原則にしています。
本当に顔の見える関係、野菜を真ん中に生産者と消費者が繋がる関係が出来てきています。オープンは週3回。農家が作業で忙しい昼間は福祉施設のメンバーがお店番を担当し、
午後の2時半から農家が交代でお店番をしています。
新規就農者にとって最大の難関は何と言っても販売先の確保です。
畑を始めたころ、私たちは大きく2つの方法で野菜を販売していました。
1つは、インターネットを通して販売し、宅配便で野菜を送る方法。
もう1つは、スーパーや直売所で販売する方法でした。
ここでの問題点は、インターネットでの注文はいつ来るか分からないので、
それに備えて、出荷できる野菜を出荷せず、結果的に野菜をダメにしてしまうこと。
スーパーや直売所の販売も、私たちは店頭に野菜を並べたら、閉店後に残った野菜を
引き取りに行くだけで、結局お客さんとの直接の関係はなかったことでした。
それを大きく変えたのが、「CSA(地域支援型農業)」と言う考えに基づいた、年間契約を基本にしたスタイルです。(CSAについては こちら を読んでください。)
CSAは、年間契約だから計画的に栽培ができる、決まったメンバーにお届けするから関係性が築けるという利点が挙げられます。この段階で栽培した野菜の無駄は大きく省けるようになりましたが、それでも少しは多めに栽培をしているので売り切れない野菜も出ていました。
それをなんとか売り切りたい、しかも地域の中に溶け込んだお店にしたい、できれば売り先に困っている新規就農者の人たちとタッグを組みたいと思って始めたのがAbby’s Farmです。
さらに福祉施設とコラボすることで、本当に地域に根差したお店を目指しました。
お店には学校帰りの子供達が立ち寄ったり、小さい子がはじめてのお買い物をお願いされてきてくれたり、離乳食を始めようとするお母さんが立ち寄ってくれたり。
ほんわかした感じの小さな直売所として定着してきたように思います。
もちろん、課題はまだまだたくさんあります。
その解決はこれからのお楽しみと言うことで…
今度は一緒に考える仲間がいるので、きっともっといい方法が見つかるはず!
様々な人とつながる畑に
今村直美・細渕有里(いまむらなおみ・ほそぶちゆうり)
千葉県 我孫子市
まわりのみんながつながり、支えあっていく畑作りを目指す。6年前に2人で就農。今村さんは1970年生まれ千葉県出身、細渕さんは1986年生まれ埼玉県出身。