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2015.10.10

はじまりは小さくてもいいのかも…

農業…って、「農業をはじめよう!」と思ってみても、
何をどうしたらいいのか、どこからスタートしたらいいのか分からず、
ハードルが高いように感じますよね。
でも、もしかしたらスタートは小さくてもいいのかも知れません。
今回は、私たちのはじまりについてお話をしようと思います。

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7年前の春、私たちは「わが家のやおやさん 風の色」という名前で
野菜を育て、販売を始めました。
始めるにあたって、いくら怖いもの知らずの私たちでも、
何人かの農家の方や県の農業事務所の方、市の農政課の人に相談をしました。

栽培方法、栽培面積、道具や資材、トラクターや耕耘機、ハウスに井戸。
作業場に保管場所などなど。どのくらいの初期投資が必要なのか、
どのくらいの規模が農家として適正なのか、色々聞いて回りました。
そして相談した多くの方々が、
「投資をして、初めからある程度大きく始めた方がいい」と教えてくれました。
どんなに私たちが「小さな支出で始めれば、小さな収入でもなんとかやっていけるはず!」と言ってみても、「農業を生業にするのならそんな悠長なことは言っていられない」と言われました。

私たちは…
私たちのスタートは一人30万円ずつの持ち寄りでした。合計60万円!
あっという間に集まった5反(1,500坪)近い畑を、お金がないからくわで耕し、
(お蔭でめちゃくちゃマッチョになりました)
お金がないから支柱は竹林に切り出しに行きました。
耕耘機はヤフオクで買った小さな手押しの耕耘機「こまめちゃん!」、3万円でした。
(今でも現役で活躍中)
肥料は小さな精米所で無料でもらえる米ぬかと、安価な鶏ふんを中心に、あとは
麦や藁や草をすき込んでは「いい土にならないかぁ~」と二人で話をしていたものです。

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それでも、借金をして大きなものを背負うのはやめようと二人で決めていました。
背伸びをして栽培に追われ、販売に追われたら…心を込めることができなくなるから…
身の丈に合った仕事の仕方を探して行こうと思っていました。

そのうち…そんな姿を見てか、
近くの農家さんが使わなくなったトラクターをくれました。
また別の方が使わなくなった納屋を作業場として貸してくださいました。
納屋のお隣のガソリンスタンドからはホースを引いてお水もget!
トイレも、快く貸してくださいました。
前の職場からは、もう使わなくなった食堂の流しや蛍光灯ももらってきました。
今では、作業場や育苗する場所、物置や休憩場所として、
自分たちで30メートル近いハウスを立てました。
もちろん部材の多くは古いハウスを解体した時に出た頂き物です。
井戸も掘りました。少しずつ貯めてきたお金で少しずつそろえていきました。
お蔭で無借金経営です!

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確かに、農家の収入だけである程度の収入が安定してきたのは、3年もとうに過ぎてから。。。それまでは、パートナーであるゆうちゃんは平日の昼間は畑、
夜や土曜日にアルバイトをしながら頑張っていました。
(私は夫の収入もあり、アルバイトはしませんでした)

はじめから大きな投資をしていたら、今ごろどうなっていたか…それは分かりません。
でも、常に自分たちの身の丈を意識しつつ、時には人の胸も借りつつやってきたことが、
今の風の色がいろんな人に支えられて笑い声の絶えない畑に繋がっているんじゃないかなぁ~。
そんな風に思えるのです。

その他の挑戦者

  • 大野收一郎
  • 佐藤友明
  • 千葉治
  • 宮﨑康介
  • STL編集部

challenger

今村直美・細渕有里

様々な人とつながる畑に
今村直美・細渕有里(いまむらなおみ・ほそぶちゆうり)
千葉県 我孫子市

まわりのみんながつながり、支えあっていく畑作りを目指す。6年前に2人で就農。今村さんは1970年生まれ千葉県出身、細渕さんは1986年生まれ埼玉県出身。

写真家の眼 今村直美・細渕有里

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