SHARE THE LOVE

2015.04.28

はじまりは、家族の「おいしい」から!

imamura_top

初めまして。千葉県我孫子市で、新規に就農して7年目になります、
「わが家のやおやさん 風の色」の今村直美(写真右)と細渕有里(ゆうり)(写真左)です。

これから1年間、畑仕事を通して感じたこと、出会った人々、
私たちの想いなどをこのブログに書いていけたらいいなぁと思っています。
どうぞよろしくお願いします。

私(今村)は、44歳。
夫と中学3年生の娘と犬と、手賀沼のほとりに暮らしています。
もともと同じ千葉県でも街中に住んでいましたが、
のんびりした生活にあこがれて、今の家に引越しをしてきました。

そして、もう1人のパートナーである細渕さんこと、ゆうちゃんは、埼玉県出身の28歳!
二人とも非農家の出身です。
こんな二人が、10年前に、
農業を学ぶ学校「千葉大学園芸学部別科」(以下、千葉大別科)で同級生になり、
それぞれの想いを持って就農にこぎつけたところから話をしてみましょう。

まずは私…。
それまで大学の職員として生きがいを感じ、楽しくバリバリ仕事をしていました。
それまでは…それまで?
私の中で大きな変化が訪れたのは出産して、育児休暇を1年取得し、職場復帰した時でした。
娘を保育園に預け、しばらく経ったころ、
仕事と育児の忙しさの中に大切な何かを忘れてしまっているような気がしました。
でもそれがなんなのか、よく分からない状態が続きました。
「分からないなら分かりたい!」と思い、職を辞して「家族ってなに?」を学ぶために、
大学に入り直しました。「家族社会学」という分野があるんです。
それを学ぶべく、研究室に飛び込んだのですが、それもどうもしっくりきませんでした…。

そんな時、ベランダで栽培し始めたミニトマトときゅうり。
少しばかり収穫して、食卓に出した時のことでした。
夫も娘も「おいしい!」と言って食べてくれたことが、嬉しいこと嬉しいこと!
驚きました!

自分の手で育てたものでこんなにも喜んでもらえるものかと感動し「これだ!」と思いました。
私が求めていたのは、机の上で考えることではなく、
もっと日常の生活に密着した、もっと地べたに近いものだったのだと気が付きました。
そして、千葉大別科で学ぶことに決めたのです。

imamura_tomato

パートナーのゆうちゃんは…、動物や植物が大好きで、
「動物系ならペットショップで働くのもいいかな。農業系でもいいかも」と思い、
両方の勉強ができる高校に通っていました。
授業で育てた野菜を家に持ち帰り、そこで見たものは…、家族が「おいしい!」と喜んでくれる姿でした。
そして、もっと農業が学びたくなって千葉大別科へ。

そこで二人は出会いました。

二人は年齢が大きく違うだけではなく、性格が違います。
家族の「おいしい!」と言ってくれる笑顔が一番好きなこと以外は、
まさに正反対と言ってもいいほど!こんな二人が、たまには喧嘩もするものの、
お互いがお互いの存在をかけがえのないものとして思えるのは、
ちょうど凸凹(でこぼこ)が一致するのでしょうね。
違うからぴったりくる、そして一番大事なものが共通している、そんな私たちです。

と、前置きが長くなりましたが、
二人とも、千葉大別科を卒業後すんなりと就農した訳ではありません。
卒業しても農家になるなんて、実感がありませんでした。
新しく引っ越した家の近くに30坪ほどの畑を借り耕していたものの、
家庭菜園レベルの畑です。そこで私は大きな病気をします。
幸い早期発見で大事には至りませんでしたが、お医者さんには、
「命拾いをしましたね。これからの人生、大切に生きて下さい」と言って頂きました。

時を同じくして、やおやさんで働き、有機農家での研修をさらに積んでいたゆうちゃんも、
自分のこれからの生き方に悩み始めていました。
このタイミングもぴったり!
二人は「こうなったら、農業やるしかないね!」と就農を決意!

ここからは早業でした。
娘の小学校のママ友を通じて地主さん達を紹介していただき、
あっという間に5反近くの畑を借りることが出来ました。
販売先も決まらないままの見切り発車!
「無謀、怖いもの知らず、後先考えない」と聞こえてきそうですが、
でも、きっとうまくいくと思っていました。だって、家族を思う気持ちはだれもが持つ気持ち。
その気持ちが伝われば、きっと私たちの野菜を買って下さると信じていました。

imamura_daikonhatake

ちょっと長くなったので、今回はここまで。
次回以降は、私たち「風の色」の栽培のこだわりや、
初年度の畑の様子や初出荷から書くことにします。
では、こんな調子で書いていきますので、これからよろしくお願いします。

その他の挑戦者

  • 大野收一郎
  • 佐藤友明
  • 千葉治
  • 宮﨑康介
  • STL編集部

challenger

今村直美・細渕有里

様々な人とつながる畑に
今村直美・細渕有里(いまむらなおみ・ほそぶちゆうり)
千葉県 我孫子市

まわりのみんながつながり、支えあっていく畑作りを目指す。6年前に2人で就農。今村さんは1970年生まれ千葉県出身、細渕さんは1986年生まれ埼玉県出身。

写真家の眼 今村直美・細渕有里

archive

BACK TO TOP