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2015.06.29

ヘビ瓜の発芽実験(その2)実験結果は如何に?

前回のブログ でご紹介した、「ヘビ瓜の発芽実験」
その後の様子をお伝えします。

【実験1】のその後
A~E、各6個ずつの種子で実験しました。左からA、D、E、C、Bの並び順です。

<実験3日目>
Cは5個、Dは4個の種子に、白い根のような発根を確認。
同時にCは1個、Dは2個の種子が腐敗。

05_chiba_tane

中身を剥き出しにすると、発根は早いが中身が無防備になり腐敗しやすいようです。
Cはまるで生ガキの盛り付けのように殻を下に敷いた分、
Dよりは腐敗し難かったのかもしれません。

<1週間後>
A、B、Eは依然発根が見られず…。
発根し育苗ポットの土中に埋めたC、Dからは発芽を確認。双葉の一部に変色や傷が見られる。
発根が見られないものをこのままにするのも勿体ないので、
この後A~Eすべての種子を育苗ポットの土の中に移したところ、
(Eについては、未処理だと発芽までに時間がかかりそうなので、
殻にカットを入れました。)
ほぼすべての種子が発芽しました。

05_chiba_hakkon

(↑C(右)、D(左)の発根の様子、拡大バージョン。)

【実験2】 のその後
こちらは、A’~D’各5個ずつの種子で実験しました。
(E’は毎年行っていた発芽率が悪い時と同じ条件なので、今回用意しておりません…
ちなみに発芽まで1~2か月かかる種子が多く、最終的な発芽率も2~3割程度でした。)

<1週間後>
A’とB’…すべての種子から発芽。
C’とD’…それぞれ4個の種子から発芽。
やはり、C’、D’の発芽した双葉に変色や傷が見られる。

【考察として】
実験2のA’とB’が約1週間で発芽し、発芽のスピードと発芽率が最も良い結果となりました。
実験1、2のC、C’とD、D’も約1週間弱で発芽となかなか健闘したのですが、
どちらの種子にも双葉に変色や傷が見られ、良い形での発芽とはなりませんでした。
(殻を剥きすぎると腐りやすく、腐りかけて双葉の変色や傷が発生したのでは?)

05_chiba_nae

(↑実験後のヘビ瓜の苗の様子)

水に浸した布の上などで発根させてから種を蒔く「芽出し播き」だと、
発芽までの期間が安定するという定説があるので、
芽出し播きの【実験1】と、最初から土の中に種を播く【実験2】に分けてみたのですが、
殻を少ししか加工していないものに関しては【実験2】の方が発芽率は良さそうでした。
ヘビ瓜がどうかは分かりませんが、発芽の際に光を嫌う種子もあるので、
【実験2】の土をかぶせた事が良かったのかも知れません。

5月中旬の実験だったので暖かく、全体的に発芽し易かったのかもしれません。
加温を育苗器まかせで、温度管理の考察に欠けた至らぬ点の多い実験でしたが、
昨年までの、殻に処理をせず播いていたヘビ瓜の発芽率の悪さと比べると、
殻に上手な細工をした種子を土の中に播くと発芽率は良くなるようです。

カット方法も、今回は下図aのように殻の先端をカットしましたが、
下図bやcのように種子内部の「とんがり頭」を表に出したり
カットと割れ目を併用するのも面白いかもしれません…
考えるとキリがなさそうなのでこの辺にしておきますが、
興味のある人は、御自分でいろいろ試してくださいませ。

05_chiba_cut

※赤い線が殻の輪郭を示しています。

とりあえず、この実験を行った事により今年の予定株数を何とか確保出来そうなので一安心。
来年は早い時期の苗作りを成功させ、収穫量が増える事を期待…。
(※この実験はあくまでも個人的な考察に過ぎませんので…あしからず)
___________________________________
【おまけ】
ヘビウリの種子を購入したい人へ…
下記の品名などをネット検索すれば販売店が見つかると思います。
「うりの珍品 へびうり」福種株式会社
「へびうり グリーンナイル」藤田種子株式会社
「ちりめん細長うり」タキイ種苗…今回実験したヘビ瓜とは異なる、細いタイプのヘビ瓜。

その他の挑戦者

  • 今村直美・細渕有里
  • 大野收一郎
  • 佐藤友明
  • 宮﨑康介
  • STL編集部

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千葉治

量よりも質にこだわる農家に
千葉治(ちばおさむ)
埼玉県 新座市

友人のインド料理店に納品するインド野菜を主に生産。量よりも質にこだわる。バックパッカーを経て3年前に就農。1968年生まれ神奈川県出身。

写真家の眼 千葉治

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