SHARE THE LOVE

2015.06.03

ヘビ瓜の発芽実験(その1)

今回は、インド料理店を営む友人に頼まれて生産する夏野菜の主力の一つ、
ヘビ瓜の発芽実験について書いてみます。

はじめに、種苗屋さんでヘビ瓜と言われているものは、
自分の知る限りで大きく分けて2種類ありました。
(まあ自分勝手に分類しているわけですが…)
どちらも支柱を立てずに地這栽培するとヘビのようにとぐろを巻いたりします。

一つは、種子がキュウリのようで発芽率が比較的よい、「ちりめん細長瓜」。
実の外見は、細く、ちりめん皺のような表面をしており色が白っぽいもの。
インド人の友人曰く、「細いヘビ瓜」。

もう一つは、今回実験する、種子は硬い殻をもち発芽しにくい、「ヘビ瓜」。
それ以外の呼び名はわかりません…(苦笑)。
インド人の友人曰く、「大きいヘビ瓜」。

04_chiba_1hebiuri

(↑昨年収穫した「大きいヘビ瓜」)

ここ何年も注文を受けて栽培しているというのに、毎年のように発芽率の悪さを悔いていました。
5月中旬~6月に、畑に黒マルチを張っての遅めの直播きで株数を確保できた時は、
発芽率が結構良かったため、「ヘビ瓜の発芽適温はかなり高いのではないか?」と推測。
今年は発芽器で加温して育苗を始めてみたのですが、やはり、発芽率が良くない…
「分厚く硬い殻への対策が必要か?」という事で、
今回ヘビ瓜の発芽実験を行う事にしました。

…と前置きが長くなり過ぎましたが、さて、本題です。
種子の質の問題を除くと、ヘビ瓜の発芽率の悪さの原因は、
・種子に分厚く硬い殻をもつ事
・発芽適温が高い事 
この2点のようです。
発芽温度は発芽器で加温して確保するとして、硬い殻についての対策をネットで検索してみると
「殻に割れ目を入れる」「尖端部分をカット」「殻を割って中身を取り出す」など
硬い殻の種子への対策法を見つけたので、とりあえず試してみました。

今回試したのは以下の通りです。

04_chiba_tane

A…ペンチで割れ目を入れたもの
B…尖端を爪切りでカットしたもの
C…殻を半分つけたままのもの
D…殻をすべて取り去ったもの
(Dは腐りやすい?と思ったのでCとDは分けました)
E…画像にはないが比較の為、未処理の種子

【実験1】
A~Eの種子を水が染みたキッチンペーパーの上に置き、育苗用の発芽器で加温し観察。

【実験2】
種が沈むまで水に浸した後に、育苗ポットの土の中に入れ発芽するまでを観察。
この場合、実験対象を
A→A’ B→B’ C→C’ D→D’ と呼称します。

準備をしながらイメージしてみました。
どの方法にも上手に発芽させるコツがありそう…
Aの割れ目の深さ、Bのカットの深さ、CとDは種子を腐敗させない工夫?

さて、どんな結果になるのでしょう?

<実験結果は次回につづく?>

_________________________
【おまけ】

前回のブログ
で紹介した、台風で倒れてしまったタマネギの、3日後の様子です。 

茎の折れていなかったタマネギはだんだん立ち上がってきました…。
タマネギは、結構丈夫なもので、「雨ニモマケズ 風ニモマケズ…」でした。

04_chiba_tamanegi

その他の挑戦者

  • 今村直美・細渕有里
  • 大野收一郎
  • 佐藤友明
  • 宮﨑康介
  • STL編集部

challenger

千葉治

量よりも質にこだわる農家に
千葉治(ちばおさむ)
埼玉県 新座市

友人のインド料理店に納品するインド野菜を主に生産。量よりも質にこだわる。バックパッカーを経て3年前に就農。1968年生まれ神奈川県出身。

写真家の眼 千葉治

archive

BACK TO TOP