2016.05.12
百姓 x Arborist
あっという間に3回目のブログになりました。
最近は暑いくらいの日々が続いています。
さて、今回は私が百姓の一環としておこなっている、Arborist(アーボリスト)という仕事について少し紹介したいと思います。
アーボリストとは、「樹木のスペシャリスト」と言われ、樹木の健康診断、樹勢回復手当、剪定、伐採などを行う仕事です。
なぜこんな仕事をしているかというと、最初は単純に「かっこいい!」と思ったからでした。農業研修先で出会った先輩が百姓兼庭師で、彼の樹に登る姿を見て、挑戦者の北川美帆さん同様、思い立ったら即行動派の私は、即アメリカから道具を一式買い集めました。
(推定樹齢300年のエノキの枝おろしの様子)
「アーボリスト」とは「アーボリカルチャー(樹木学:発祥はイギリス)を実践する人」のことで、日本にも最近この文化と技術が造園業を中心に入ってきていますが、日本にはまだ道具を作っているメーカーがないので(取り扱い店はある)、海外から輸入することにしました。
一見アーボリストの仕事は百姓仕事とは関係が無いように思われますが、私の中ではとても深いつながりがあります。
樹木は、たった一本であっても、酸素を作ったり、雨を降らせたり、土を育んだり、鳥に住処を与えたり、蜂に花粉を与えたり、人に食べ物や木陰を与えたりと、実に数え切れないほどの大切な役割を担っています。言ってみれば百の命を育む百姓のお手本であり、このような素晴らしい木々と人が一緒に暮らせる社会をつくることは、農業にとっても様々な利益をもたらしてくれます。農業やアーボリストという生業の中で、自然に環境を豊かにしていくことが目標の私にとって、とてもやりがいのある仕事です。
(ロープを使って樹に登ります)
スーパーマリオとは違い、一度落ちたらゲームオーバーなので気を付けて登ります!
天野圭介(あまのけいすけ)
静岡県 浜松市
1985年神奈川県生まれ。2歳の時に父が脱サラし、静岡県の山奥でペンション経営を開始。そこでの自然と一体となった暮らしを原点に、アフリカ諸国を旅した後、オーストラリアでパーマカルチャーを学ぶ。帰国後、2014年、郷里に近い浜松市にて就農、農園『ONE TREE』を始める。米や大豆をメインに栽培。2015年には、世代を超えた有機農家の連携を図るために「ラブファーマーズカンファレンス」も開催した。