2016.04.21
生きることは、生かすこと。
皆さん、はじめまして。静岡県浜松市で百姓をしております、
天野圭介と申します。よろしくお願いします。
私は浜松市の春野町という、人口4,500人ほどの小さな町で、妻と子どもの3人で暮らしています。町を占める森林面積は90%で、その内の実に80%が杉・檜などの針葉樹林という、大変林業の盛んな緑豊かな地域です。現在は、耕作放棄された田畑を3反ほどお借りし、米や大豆を中心に栽培しています。固定種や在来種と言われる種取りできる品種を中心に、気候変動などに対応できる力強い作物を、無農薬・無化学肥料で育てています。
百姓を始めたのは、大学在学中に南アフリカ共和国に1年間留学したことがきっかけです。アフリカ諸国を旅するうちに、本当の豊かさとはものではなく、心のあり方だと気づき、人が人らしく生きるとはどういうことかと考えました。
そこでパーマカルチャー(永続可能な農的暮らしのデザイン手法)に興味を持ち、東京の貿易商社で働き資金集めをした後、オーストラリアに渡り環境に配慮した農業を学びました。その後、日本の風土、歴史、農業を基礎から学びたいと感じ、埼玉県小川町にて1年間有機農業を学び、2014年11月に故郷である春野町に戻り、「ONE TREE」という屋号で百姓を始めました。
タイトルに書いた、「生きることは、生かすこと」をモットーに、日々暮らしています。これは、自然とは実に無駄がなく、ある生き物が生きることで生まれる産物(糞尿や亡骸、種特有の行動など)が、他の生き物を生かしているという意味で、自分が生きることで最大限多くの命を育みたい、という願いが込められています。
現在は百姓として冬場は林業を行ったり、ツリークライミングの技術を応用した樹木の手当(剪定・伐採・樹勢回復)や、食べられる植物でつくる森のような庭・フォレストガーデンづくりなどにも取り組んでいます。また昨年から、食と環境でつながる有機的ネットワークづくりの場として、Love Farmers Conferenceという会も主催しています。
百の命を育む百姓として、自分の暮らしの自立、地域の自立、そして環境の修復をテーマに取り組んでいますので、どうぞよろしくお願いします。
天野圭介(あまのけいすけ)
静岡県 浜松市
1985年神奈川県生まれ。2歳の時に父が脱サラし、静岡県の山奥でペンション経営を開始。そこでの自然と一体となった暮らしを原点に、アフリカ諸国を旅した後、オーストラリアでパーマカルチャーを学ぶ。帰国後、2014年、郷里に近い浜松市にて就農、農園『ONE TREE』を始める。米や大豆をメインに栽培。2015年には、世代を超えた有機農家の連携を図るために「ラブファーマーズカンファレンス」も開催した。