2016.07.13
いざ新天地へ!
百姓は本当にたくさんやることがあります。
こんなことまで?!と思われるかもしれませんが、自分の住まいを自分で作る。
これも百姓仕事の一環です。
(だんだんブログの内容が野良仕事でなくなっていきますが、お許しください)
最近、築112年(明治25年移築、材料は200年以上経つだろうか)の古民家付きの土地と巡り合い、現在引っ越しの準備真っ最中。今後はこの土地(山林も含め約3,000坪)で百姓をしていく予定。家は幸いなことに雨漏りなどはなく、骨組みはしっかりとした状態。しかし、土壁や床板、水回りは全て傷んでおり、改修する必要あり。
改修前の我が家
今回は父親の猟師仲間で、自宅を自分で一棟建ててしまった大先輩・杉本さんに助けて頂き、まずは母屋隣の小屋、傷んだ台所、風呂、土間部分を全て解体。新たに台所や風呂場、便所を作ります。
あちこち傷んだ台所や風呂場
仲間のおかげで解体もあっという間に完了
材料も杉本さんのおかげで新月伐採(木の水分が一番低くなる新月に伐採すること)した地元の杉材を、通常価格の1/3ほどで購入。地元の製材所で加工して頂き、柱や梁、垂木、間柱なども揃いました。現時点で既に解体、新設部分の基礎づくり、柱立てまで完了。柱が立つと空間がはっきりとし、いっきに家らしい姿になってきます。
柱を立てる準備中。70代のつわもの達。
自分たちの暮らしに必要なものを、自分たちの手で賄うこと。これは本当に幸せなことで、なにものにも代えがたい充実感を与えてくれます。グローバルな流通システムや仕事の分業化、核家族化など、現代社会は「分離の病」におかされています。百姓仕事の醍醐味は、自らと大地、そして人との関係も含めた周辺環境との関係性を、暮らしの中で紡ぎ直していくことだと思います。自宅の改修からとても大きな話になりますが、一事は万事。まだまだ挑戦は続きます!
天野圭介(あまのけいすけ)
静岡県 浜松市
1985年神奈川県生まれ。2歳の時に父が脱サラし、静岡県の山奥でペンション経営を開始。そこでの自然と一体となった暮らしを原点に、アフリカ諸国を旅した後、オーストラリアでパーマカルチャーを学ぶ。帰国後、2014年、郷里に近い浜松市にて就農、農園『ONE TREE』を始める。米や大豆をメインに栽培。2015年には、世代を超えた有機農家の連携を図るために「ラブファーマーズカンファレンス」も開催した。