SHARE THE LOVE

2020.02.18

|野菜の多品目栽培・個人宅配セット部会|信州松代みやざき農園さんの圃場と出荷に学んできました

SHARE THE LOVE for JAPAN(以下STL)では、地域やテーマごとに参加農家が集まり学び合う勉強会が開催されています。

今回は、2018年挑戦者を中心に、野菜の少量多品目栽培や個人向けの野菜宅配セット販売を行うSTLメンバーが開拓者の信州松代みやざき農園 宮﨑康介さんの元に集まり勉強会を行いました。宮﨑さんの師匠でもある、まごころ・ふれあい農園さんも視察させていただき、15年以上、農薬・化学肥料・除草剤・ホルモン剤・遺伝子組替種子を一切使用せず通年を通して野菜を出荷されている久保田さんにお話をお伺いすることもできました。

多くの品種の管理を行うことは非常に手間もかかり収益を上げるのが難しいと言われる中で、それでもどうして自分たちは多品目の野菜を栽培をするのか。その意義を確認しあいながら、「栽培方法や作付けの工夫」「端境期をどう対応しているか」「効率の良い出荷方法は」「お客さまに喜んでもらうための努力」「農園の魅力をどう伝えるか」など、お互いに惜しみなく情報交換をして共に学び合う機会となりました。

詳しい内容は参加者のレポートをご覧ください。

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|開催概要|

日 程:2019年11月28日(木)29日(金)30日(土)
内 容:1日目|まごころ・ふれあい農園 久保田清隆さん 圃場視察
    2日目|信州松代みやざき農園 宮﨑康介さん 宅配セット出荷見学 / 圃場視察
        座学(宮﨑さん・テンネンアマル 阿部正臣さん発表)・情報交換
    3日目|restauro terra 杉浦秀幸さん 圃場視察

|参加者のレポート|

村田寿政さん|熊本県南阿蘇村

今回の勉強会では、1日目に「まごころ・ふれあい農園」さんで土作りに関連して土着菌や微生物に関するお話を聞くことができました。その中で印象的だったのが、「土を作る」という考えかたではなく、「土を育てる」「土着菌や微生物にお任せする」という考え方です。植物が健康に育つためには、土の中を土着菌や微生物が住みやすい環境にしてあげることが大事。例えば、畑の土を裸の状態にしない(草が生えるのは土着菌を守るため)。トラクターで耕す時は、浅く耕すのはもちろん極力太陽の光が当たらずに、土が湿っている状態の時を狙って行う。そのためにはヘッドライトをつけて夜に耕すこともある。ということなどを教わりました。

それまで、私の中で土作りとは、土に植物が必要とする要素を入れて、作物にあった土を作っていくという認識でした。施肥設計や土壌診断を元に必要な要素を入れても、うまく作物を作れなかったりしたのは、土の中をただの入れ物としか見れていなかったのかもしれません。今後は土壌診断や施肥設計などと同時に、数値だけでなく畑の中の微生物や土着菌をイメージしながら土を育てていきたいと思います。

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2日目は「信州松代みやざき農園」さんで、実際の作業場での出荷作業の様子や畑を見学し、その後、年間の売り上げの推移や目標金額などリアルな数字まで見せていただきました。作業場での、ボードン袋をサイズではなく、使用する作物名を表記しておく方法や、ホワイトボードとマグネットによる野菜セットの内容一覧表記など、私も妻と袋詰めの作業を行うことが多いので、帰ってすぐにでも真似をしたい工夫がたくさんありました。また、毎月の売り上げ目標(さらには1日の売り上げ目標)を設定すること、その積み重ねで年間の売り上げ目標が達成できるということ、そしてそれを実践して実現している宮﨑さんを見て、自分の甘さを痛感したのと同時に、営農を初めてから今までで一番モチベーションが上がりました。

今年で4年目となることぶき農園ですが、少量多品目で野菜セットを販売をしている中で「土作り」と「出荷作業の効率化」がずっと課題でした。今回の勉強会では、この2つの課題がお話の中で出てきたので、私にとってとてもタイムリーで有意義な時間となりました。モチベーションもかつてないほど上がり、新たな目標もできました。新たな目標とは、今年は作付けを2〜3倍に増やして、野菜セット以外の販路開拓として、直売所での販売を始めて、そこでの目標売り上げを達成することです。自分を信じて今年も頑張りたいと思います!

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大島雄さん|愛媛県宇和島市

私は現在野菜の多品目栽培と水稲を主にしたスタイルで取り組んでいますが、
なかなか販売先の開拓や農園経営の上で非効率な部分も多く、
今後どのような課題意識を持っていけば良いのか悩ましく感じていたので、
今回の多品目栽培、宅配セットをテーマとした研修は非常に参考になる部分の多いものでした。

印象に残った点としてまず一つ目は、
「信州松代みやざき農園」の宮﨑さんがおっしゃっていた
「お客様に対して想像力を働かせる」という言葉です。
みやざき農園さんでは、新規のお客様とは必ず電話で直接話してから販売を始めています。
そうすることでお客様の本意を確かめながら、コミュニケーションを深めていきます。
そして年1回は宅配セットのお客様にアンケートをとり、ニーズを確認しています。
お客様とのコミュニケーションを図りながらニーズを把握し、「この方はどのような野菜だったら喜ばれるか、どのような販売方法ならスムーズになるか」ということを考えながら常に改善していっているところが、非常に参考になりました。
ついこちらの都合のいいように考えがちですが、出来る範囲で、サービスの最適化を日々追求していくことが大事だと改めて考えさせられました。

もう一点は、農園経営の目標管理意識です。
作付け計画は毎年年初に作成し(多品目だとこれもなかなかの膨大な情報量になります)、それを元に作付け準備を進めていくのですが、それを売上の数値にまでリンクさせて管理できていませんでした。(お恥ずかしながら、使える農地での作付けを最大化することばかり計画していました…)
宮﨑さんは、年初に作付け計画だけでなく売上の目標計画や行動計画を立て、それを月ごと、日ごとに落とし込んで日々管理していくとおっしゃっていました。そうすることで過不足を常に確認し、行動を修正していっているそうです。
そう言われれば、前職でも目標管理は毎期作成し、それを月ごとの数値や行動に落とし込んで管理していたなと思い出し、改めてその必要性を痛感しました。
数値を見える化することで日々の行動を修正しながら、もう少しメリハリをつけた作付けを今年の計画では心がけたいと思います。

その後、売り上げの意識付けは、日々に落とし込むように変わっています。
何となく作業量や販売可能な量で出荷量を決めがちでしたが、目標金額が頭にあるとそれがベースになってもうちょっと多く出荷しよう、とか発想が変わってきました。

作付け計画は、より細かくなっていきそうです。今まで定番な品目をメインに作っていて、それほど品種のバリエーションは揃えていなかったんですけど、お客様の立場になって、毎回少しずつでも見ていて楽しいような品種を入れて新鮮味を出していきたいと思っています。品種が増えることでセットの品数を揃えるのにも余裕が生まれるので、その点でも余裕のある体制にしていこうと思っています。

勉強会の3日間の中では、他にもまごころ・ふれあい農園さんの微生物の働きを活用した栽培や、山梨の杉浦さんのところでは需要地に近い地域での多品目栽培・販売について学び、本当に密度の濃い3日間で参考になる情報が詰まっていました。
今回の研修を糧に、2020年度の計画に生かしていきたいと思います。

最後になりますが、今回訪問させていただいた、まごころ・ふれあい農園さん、信州松代みやざき農園さん、山梨の杉浦さん、また同行いただいた事務局のスタッフの方々や開拓者の皆さん、ご迷惑もおかけしましたが、大変お世話になりました、ありがとうございました。

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杉浦秀幸さん|山梨県北杜市

今回、『多品目栽培・個人宅配』という括りの中で長野勉強会が行われました。
(『まごころ・ふれあい農園』さん、『信州松代みやざき農園』さんにて視察研修、徳島阿部さんの講義)

私は現状就農2年目、栽培技術は勿論のこと、土づくり・作業の効率化などが主な課題であり、今回勉強会の中で少しでもヒント・気づきを頂ければと思い参加させて頂きました。

勉強会での学び

1.土壌改良は一発で終える。
私は「地力」の弱い畑は有機物の投入を控え、緑肥などを利用してゆっくりと地力を高めるようにしていましたが、まごころ・ふれあい農園さんでは必要な物(有機物・微生物・微生物活性エネルギー)を一気に入れ改良をするという事でした。なるほどなぁと思い、来期に一部の圃場で取り組んでみます。

2.土着菌の利用
現在はEM菌を購入・培養し「ボカシ肥」に活用していましたが、まごころ・ふれあい農園さん・みやざき農園さん共に土着菌を培養しておりました。(微生物・発酵好きの私にとって目から鱗)来春の草木が芽生える頃にチャレンジしてみます。

3.ブランディング
みやざき農園さんでは、ロゴマークや作業服の色(他にも色々)など考慮・計算されていて、正直私はそこまで考えた事もなく、只々「凄ぇな~」と感銘を受けました。
商品に自身の農場をイメージしたロゴマークを貼り付けただ売るのではなく、作業している現場から・また自身も商品であるという考え方は大変勉強になりました。

4.情報収集(クラウドサービス等の活用)
みやざき農園では、クラウドサービスを利用したBtoB受注・発注システム(コレック)を活用されていて、情報提供をして頂きました。
納品書の作成や取引先別の対応などもできるので画期的です。意外と時間が取られる提案書・納品書の作成などこちらを取り入れる事により作業効率も良くなるので直ぐ取り入れたいと思っています。

5.素敵なパートナー♡
今回の視察研修で訪ねた圃場では、素敵なスタッフ・パートナーさんがいらっしゃいました。笑顔が素敵な奥様、寒気の厳しい中で土まみれになりながらもキラキラした目で作業をされている女性スタッフさん。冬支度の忙しい中でご丁寧に対応して頂き、とても素晴らしい農場でした。
まごころ・ふれあい農園さんにて、「社員の育成について心掛けている事は?」とお聞きすると、「特にないですよ」との事。野菜や土・スタッフにも真摯に向き合い継続していく事が大切だと再度実感しました。

今回の学びの場をサポート頂きましたトゥルースピリットタバコカンパニーの皆さまには、深く感謝いたします。個人的にセミナーや勉強会に時間が許す限り積極的に参加はしているのですが、『よき仲間』とこういった場で情報共有・意見交換ができる事はほんとうに有り難いなぁと感じています。参加されたみなさん(農家、STLの方々、関係者様)の笑顔を見ているだけでパワーを頂きます。今後もこういった活動が「どうしたら」持続できるか…という側面も考えていきたい所です。

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大島和行さん|栃木県塩谷町

「野菜セット」の勉強会に参加させて頂き、たくさん勉強させて頂きましたが、そのなかでも、まごころ・ふれあい農園の久保田さんの圃場では、天気とトラクターの耕耘するタイミングの関係や野菜の貯蔵方法、栽培管理技術など、とても興味深かったです。
宮﨑さんの圃場・出荷場視察では、栽培技術だけではなく、経営の計画、クラウド受注・発注システム、コピー機の種類まで、出荷に関する細かな事も勉強になりました。
野菜セットを出荷する為に関わる作業やシステムや用具の選定などは直ぐに実践できることなので、それを皆さんで話し合う事が出来たのは、とても良かったですし、同じ野菜セットを作っている方々と話せたことはモチベーションも上がりとても良い経験でした。
勉強会で皆さんに教えて頂いたことを生かし、今後も野菜作りに販売にと頑張りたいと思います。

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阿部正臣さん|徳島県上勝町

今回は、多品目栽培を実践しているSTLメンバーで研修会を開催するということで、是非ともと思い、妻とともに参加させていただいた。というのも、多品目を実践・継続している農家の知り合いは周りにほとんどなく、なかなか情報がない状況下で暗中模索していることが多かったからだ。
うちの課題として、「いかに知ってもらうか」というのが大きな課題であるが、みやざき農園さんでの見学は大変参考になった。みやざき農園さんでは、農園や野菜が今どういう状況で、これからどうやっていくのかといった情報を、SNS・各週配布の折り込みチラシによって顧客に知らせる。ファンを作るということが大事だとよく聞くが、まさにそれを実践していた。
また、うちでは6次化を思案中であるが、まごころ・ふれあい農園の久保田さんから、「飲食、加工品など色々やった。今も継続していること・やめたこと色々あるが、何とかやれたし、やったことはいい経験になった。今はまた畑(野菜の生産販売)に力を入れている。」という話を聞くことができた。野菜や土を育てることと一緒で、まずはやってみる、そしてやっているうちに気づきがあり、ブラッシュアップされていく。まさに「ぐるぐる」なんだなと、決意を新たにすることができた。
今年で有機農業に取り組んで7年目。さらに技術を深めていきたいし、6次化により多品目栽培のスタイルを確立したいと考えているが、やりがいがありすぎてちょっとプレッシャーに負けそうだった。それを今回の研修で多くのヒントを得ることができ、また妻とともにモチベーションをあげることができた。
貴重な機会をいただいた久保田さん、STLメンバーとスタッフのみなさん、本当にありがとうございました!

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