SHARE THE LOVE

2013.09.01

SUPPORTER’S VOICE −服部進氏(ハートツリー)

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間伐材のアイテムでSHARE THE LOVE for JAPANをサポートしている、ハートツリーの服部進さんにインタビューを実施。間伐材とは何か、なぜ木を切ることが森を守るのか?森と向き合う服部さんに語ってもらいました。

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服部氏と森の出会い

メーカー勤務時代に、ふとしたきっかけで、林業に携わる人たちと出会ったんですよ。当時はクールビズが導入され、環境・エコが叫ばれ始めたころ。彼らと話して分かったことは、そんな産業自体が疲弊していること。その後、メーカーを退社し、自分の経験が何か役に立たないかと考え、森林に関わる仕事をはじめました。具体的には間伐材を使った商品開発やその普及、木を植えるプロジェクトなどを行っています。社名のハートツリーには、「木に感動を託す」という思いをこめました。

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森林大国ニッポンが、いま危ない

日本には森がたくさんあり、国土の70%が森林です。これは、先進国の中では3番目、この日本は世界有数の森林国なんですよ。そのうちの約40%が人工林で、スギ・ヒノキが主に住宅用に育てられております。人工林は手間のかかる作業を、成木となるまで時間の長い期間続けなければなりません。ちなみに、育てた木が使われるのは植えてから約50年後。いまの森の多くは、戦後復興でたくさん使われた分を補てんするために植えられた木々たちです。木には2世代前の先輩たちの思いが込められているんですよ。
日本の林業は、簡単にいえば「植える」「育てる」「切る」「使う」の4つです。いま林業で問題なのは、「切る」「使う」が減ってしまったことなんです。木造住宅が少なくなってしまったことや、安い輸入木材がたくさん入ってきたことで、せっかく植えた木が「使う」機会が減り、林業が潤わなくなってしまいました。そして林業の従事者も減り、森林を守るための間伐、つまり「切る」がきちんと行われず、右上の写真のような、暗く荒れた森が増えてしまったんです。

間伐が豊かな土壌をつくる

森を守るために木を切るって、不思議ですよね。ここでいう「切る」とは、間伐のことです。間伐とは、森林が育つ過程で木々を間引く作業で、左の写真の森は、適切に間伐されています。明るく光が差し込み、地表に草木が茂っています。間伐をしないと、森林は密集化し、日光が入らなくなり、地表の植物が育たず、動物も住めなくなり、枯葉やフンなどが堆積されない、貧しい土壌になる。そうすると、少しの風雨で地滑りが起きてしまったり、われわれ人間の生活を脅かすことにもなります。森は人間の暮らしにつながっているんです。
ある漁師さんの話ですが、彼はおいしいカキを採るために、20年以上にわたり熱心に森を育てました。豊かな森と土壌をつくり、その栄養分が川に流れ、海に届けられ、カキが食べるプランクトンが育つ。この取り組みで、その町のカキはとても有名になりました。海から遠く離れた森が、海の命を作るんです。

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間伐材を使うこと、そして触れること

間伐材を使うことは、森林を守ることになります。僕は今回、SHARE THE LOVEのワークショップの間伐材アイテムを、森を豊かにしたいという思いをもつ方々をつないで製作しました。テーブル・椅子は埼玉のスギ、石窯の薪は天草のカシ、まな板は吉野のヒノキ、お皿は日田のスギ、うちわは南三陸のスギを使用しています。日本のさまざまな地域の森で育った木材が、1つの場所に集まって、色々な人と出会う。ワークショップに参加した人には、天然の木ならではのぬくもり、手触り、香りを感じてもらい、木のことをもっと好きになってほしいです。そうしたら、日本の森林はもっともっと守られると思います。

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服部進氏のSHARE THE LOVEとは

SHARE THE LOVEはサステナビリティを多くの人たちに伝え、自然の恵みや手仕事の素晴らしさを次の世代に受け継ごうというプロジェクト。僕と根っこは同じだと思うし、とても共感できますね。ちなみに僕の場合は、失われゆく日本の森や、林業の技術を次の世代につなげたいという思いで普段の仕事をしています。
考えてみれば、森とともに生きてきた僕たち日本人は、昔から当たり前のこととしてサステナブルな暮らしをしてきたんですよ。だから、本当に小さなきっかけで意識は変わると思う。どうしたら子供たちの世代に渡せるかと、一緒に考え実践していきたいです。
SHARE THE LOVEのプロジェクトを通じて、木の大切さ、自然の素晴らしさ、そしてみんなが忘れかけている大切な文化を伝えていきたいです。そして様々な場所に出かけるのがこのプロジェクトのテーマなので、活動範囲を少しずつ広げ、色々な土地の人たちのもとに届けられるといいなと思います。

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