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2017.09.02

「半農半トマト」な現状とこれから

我が家は、たくさんのトマトを市場に出荷する一農家。これにより生計を立てようとしています。やるからには最善の作り方を探しながらやっており、「牧野家トマト、全国に散らばれー!」と思いながらの出荷も面白くて好きなのですが、トマト生産に染まりすぎ、忙しさに負けて手間のかかる農村文化を省いてしまい、暮らしが無機質になりかねないところがあります。私は農的暮らしをしたくて移住した経緯があるので、「半農半X」という方式を利用し、「半農半トマト」を意識するようにしました。(半農の「農」は「農的暮らし」の農、半Xの「X」は「生計を立てるための職業」が入ります。)

でも自分だけで農的暮らしをやっていく自信はないため、私の有機農業の師匠下島さんの生活の場である硫酸山や、住んでいる集落の皆さん、移住・就農仲間など、「暮らし方」が背景にあるコミュニティに関わり、トマト生産とは切り離したところで農的暮らしに向き合っています。

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(集落の花植え作業の休憩時間。働き者のおばちゃん達には「今どんなことをしてますかー?」とお決まりのように質問。)

そしてその「半農」の分野で、硫酸山で採っているはちみつ。今年は豊富に採れたのでお裾分け程度に商品とし、先日のオーガニックライフスタイルEXPOや町内のイベントで販売し、それにより一般の方々との交流も生まれました。

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(町内の本のイベント「ブキニスト」にて)

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(イベント「ブキニスト」では、硫酸山の生育に適したブルーベリーもお裾分けとして委託販売しました。)

このようにストーリーのある産物は「農的暮らし」の中にはたくさんあり、売る側も買う側も楽しく、対面販売には最適です。稼ぎはお小遣い程度ですが、この商いの形は大切にしたいです。
そうした経験を通して、このごろは、「半農半トマト」という割り切り方に、少し違和感も生まれてきました。

実はこれまでトマトは、旬をとっくに過ぎた11月になっても収量を稼ぐために無理に収穫していました。これは、もうやめようと思います。その時期にはその時期の、越冬に向けての暮らしの仕事が待っているから。暮らしもトマトも、お互いいいバランスでやっていくのが理想です。

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(放りがちですが、庭の野菜たち。自給野菜もトマトも同じ土で作れるようになりたい。)

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牧野萌

牧野萌(まきのもえ)
北海道 蘭越町

1983年宮城県生まれ。宮沢賢治に憧れ岩手県立大学で環境政策を学ぶ。震災後、野菜を作る勉強をしようと料理人の夫と1歳半の娘と仙台から移住。蘭越町で研修を受けた後、就農、「牧野農園」を開く。トマトを選んだのは、夫が得意なイタリア料理に使えるという理由も大きい。

写真家の眼 牧野萌

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